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<解説>次期戦闘機:国際機関の創設

2022年、日英伊3か国による次期戦闘機の共同開発が決定され、3か国の首脳はGCAP(Global Combat Air Programme)を公表しました。このプログラムを効率的に遂行する協業体制を実現するため、3か国はGCAPを一元的に管理・運営する国際組織GIGO(GCAP International Government Organisation)を創設します。

GCAPを遂行するため、英国に置かれる本部に、3か国から派遣された職員が集まります。職員は、それぞれ異なる専門性を有します。まず、技術のエキスパートとして、多数の技官が派遣されます。開発を円滑かつ確実に進めるためには、IT環境や高度な保全環境を整備することも必要であり、航空技術の専門家だけでない人材が求められます。また、実際に戦闘機を運用することとなる自衛官や英伊の軍人の知見も必要不可欠です。さらに、組織を円滑に運営するため、契約や会計、人事といった業務を遂行する事務官も派遣されます。職種のみならず、ベテランも若手も幅広く配置され、職場は非常に多様性に満ちたものとなります。

GIGO外との調整も多々発生します。開発の実作業を担う企業側の人々とは、プログラムの進捗を管理するため、日常的に顔を合わせながら調整を行います。プログラムが適切な方向に進んでいるか、3か国政府とも日々協議する必要があります。遠く離れたわが国やイタリアとは、ビデオ会議など、あらゆる手段を駆使することとなります。

GIGOは、日英伊3か国共通の利益を達成するための国際機関です。したがって、職員はそれぞれの国の立場を超え、3か国全てが納得できる戦闘機を開発するため、一丸となってGCAPの推進に取り組みます。

3か国協働の様子

3か国協働の様子