日米同盟は、わが国自身の防衛体制と相まって、わが国の安全保障の基軸であり、インド太平洋地域の平和、安全および繁栄の礎です。また、わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増すなか、その重要性はこれまでになく高まっています。そのため、防衛省・自衛隊と米国防省・米軍は、様々な分野での協力を通じて同盟強化に取り組んでいます。
同盟強化の取り組みの一部として、日米「2+2」や防衛相会談に代表される政策協議のほかにも、様々なレベルにおいて日米間で対面、非対面を問わず緊密にやり取りを行っています。防衛省の担当部局と国防省などの米側担当部局との間では、課長から担当者に至るまで、電子メールや電話を使っていつでも連絡を取り合っており、またチームで顔を突き合わせ、率直に議論する必要がある際は、ビデオ通話を使用することもあります。これに加え、積極的に直接顔を合わせた対話を行うことで、日米が情報や認識をリアルタイムで共有することができるとともに、日米の強固な人間関係を国内外に発信する機会となっています。
2023年は、米国において、米軍トップである統合参謀本部議長をはじめ、各軍の司令官の交代が相次ぎました。特筆すべきは、交代した司令官の多くが、就任後初めての訪問先としてわが国を選択し、内閣総理大臣や防衛大臣、各幕僚長と面会したことです。例えば、陸軍の制服組トップであるジョージ陸軍参謀総長や海兵隊トップのスミス海兵隊総司令官が、就任して最初にわが国を訪問しています。わが国にとって米国は唯一の同盟国である一方、米国はNATO加盟諸国をはじめ、世界に数多くの同盟国を持っていますが、そのようななか、かつて駐日米国大使を務めたマイク・マンスフィールド大使が、「日米関係は、他に並ぶもののない、最も重要な二国間関係である。」と述べたその意味は、現在でも生きています。近年においても、国家安全保障戦略などの策定や、わが国自身の防衛力の抜本的強化を踏まえて、改めて米側とわが国との防衛協力の機運が高まっており、日米同盟による地域の平和と安定の確保は、米側からも注目度が一層増しています。今後も、防衛省・自衛隊は米国と緊密に連携し、FOIPを実現するため、日米同盟の抑止力および対処力の強化に取り組んでいきます。
米国防省との打ち合わせの様子