わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増すなか、防衛力の抜本的強化の実現に資するため、2023年11月、自衛隊が実施する演習として最大規模となる令和5年度自衛隊統合演習(実動演習)「05JX」を実施しました。
本演習では、統合対艦攻撃・統合防空ミサイル防衛といった陸・海・空の作戦に、宇宙・サイバー・電磁波といった領域を取り込み領域横断的に訓練することにより、作戦遂行能力の向上を図ることができました。また、これまでは陸上作戦、水陸両用作戦などの訓練を機能別に実施してきたところ、これらの作戦を有機的に連接させて総合的に実施するとともに、作戦司令部における指揮所活動と現場部隊の動きを緊密に連接させたことで、作戦レベルと戦術レベルの融合を図りました。その結果、05JXはこれまで以上に実践的かつ高度なものとなりました。
05JXを実施するにあたり、住民の皆様の深いご理解および関係自治体のご協力により、岡山空港、大分空港、奄美空港、徳之島空港において戦闘機の離着陸訓練などを実施することができました。また、本演習の一部に米軍が参加し、オブザーバーとして、オーストラリア、カナダ、フランス、ニュージーランド、フィリピン、韓国、英国、ドイツおよびNATOが参加したことにより、同盟国・同志国との連携強化にも寄与することができました。
防衛省・自衛隊は、力による一方的な現状変更やその試みを断じて許さないという強い意思のもと、このような訓練を通じ、わが国の平和と安全を守り抜くため、抑止力・対処力の一層の強化に取り組んでいます。
岡山空港に展開したF-2戦闘機
統合防空ミサイル防衛訓練実施中のイージス艦「まや」CIC