海自 第1護衛隊群司令部 作戦幕僚 2等海佐 林 大佑(はやし だいすけ)
海上自衛隊は、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の実現に資するべく、地域の平和と安定および海洋秩序の維持・強化に向け、主体的に取り組んでいます。
2017年に2隻の護衛艦で始まったインド太平洋方面派遣(IPD)も、今や陸・空自も参加する防衛省・自衛隊の代表的活動となり、外務省・海上保安庁など関係省庁と連携し実施する、重要な活動に発展しました。
私は、前配置(海上幕僚監部)でIPDの計画に関わる部署に勤務しており、今回は作戦幕僚として実際に派遣部隊で活動する側になり、身の引き締まる思いでやりがいを感じつつ活動に従事できました。
今回のIPD23では、東西はインド洋のモルディブから南太平洋のトンガ、南北はオーストラリアからわが国周辺といった、IPD史上最大級の広範囲な地域において複数の派遣部隊が同時に活動し、大規模な共同訓練や防衛協力・交流を通じて連携を強化し、同盟国・同志国などと極めて良好な関係を築くことができました。また、乗艦協力プログラム(Ship Rider Cooperation Program:SRCP)などを通じ、ASEANや太平洋島嶼国の海軍・海上法執行機関士官などと洋上で海洋安全保障や気候変動にかかる意見交換などの交流を行い、各国の問題意識に寄り添いながら相互理解を増進しました。
乗艦協力プログラムにおいて、発表を行う筆者(右端)
共同訓練時、乗艦した米海軍連絡官と共に(最後列左から4番目が筆者)