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<VOICE>派遣海賊対処行動支援隊司令の声

ジブチ自衛隊活動拠点(ジブチ共和国)
派遣海賊対処行動支援隊司令
1等陸佐  桑原 和洋(くわはら かずひろ)

私は2021年7月より、海賊対処任務に従事する護衛艦・哨戒機部隊に対する支援隊の指揮官として勤務しています。ソマリア沖・アデン湾での海賊対処行動は、2009年に在ジブチ米軍基地を基盤として開始され、2011年に現在の活動拠点へと基盤を移して10年が経過しました。

この間、自衛隊は海賊対処行動を片時も休むことなく継続し、ここ数年は海賊事象もほぼゼロに抑えられています。直接海賊に対処する護衛艦・哨戒機部隊と、支援基盤たる拠点を護り支援業務に徹する支援隊の連携プレーの賜と誇りに思います。安全な海上輸送に貢献し、家族を含む日本国民の豊かな生活を陰で支えるやり甲斐を、隊員と噛みしめる毎日です。

厳しい気象条件などで平素から高ストレスである拠点勤務は、コロナ禍では一層大変です。隊員は外出などの気晴らしもできない中、米仏軍等との業務・訓練などを通じた交流でプロ意識を相互に刺激し、士気・団結・規律を高く維持しています。また、海外派遣では祖国との紐帯を感じ続けることも重要で、奇しくも夏季東京五輪と冬季北京五輪の時期を共にジブチ拠点で過ごす私は、自衛隊体育学校を含む日本代表選手の奮闘ぶりを隊員に伝え、感動と元気を頂きつつ任務遂行に邁進しています。

拠点開設10周年記念写真(哨戒機部隊隊員及び大使館職員家族と共に)

拠点開設10周年記念写真
(哨戒機部隊隊員及び大使館職員家族と共に)

海自護衛艦「ゆうだち」の出港を見送る支援隊員

海自護衛艦「ゆうだち」の出港を見送る支援隊員