四方を海に囲まれた海洋国家であるわが国においては、将来の戦闘様相を一変させる、いわゆるゲーム・チェンジャーとなり得る先進的装備の1つとして水中無人機の研究開発は重要となります。
水中無人機は多様な環境で運用されることから、研究開発にあたっては様々な環境への対応を考慮した効率的かつ効果的な試験評価を実施していく必要があります。このため、2021年9月、艦艇装備研究所に岩国海洋環境試験評価サテライト(IMETS:IWAKUNI Maritime Environment Test & Evaluation Satellite)を新設し、海中の音響環境を精緻に模擬できる大型水槽やシミュレーションなどの器材を用いた高度な試験評価の実施が可能となりました。IMETSでの試験評価により、多様な海洋環境かつ様々な制約を受ける実海面での試験評価を補完することが可能となります。
また、IMETSは政府が進める地方創生の施策である「政府関係機関の地方移転」の一環でもあります。民生分野における水中ロボット関連技術の研究開発等、産官学連携による研究協力など、様々な形で試験設備の利用を進めていくこととしています。
IMETSは、水中無人機の重要な研究開発拠点として、防衛分野だけでなく民生分野を含めたわが国の水中無人機関連技術の基盤強化へ貢献していきます。