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<VOICE>国産のミサイル開発の最前線

三菱重工業株式会社 航空機・飛昇体事業部
飛昇体技術部 陸・海上システム設計課
課長  服部 起也(はっとり かずや)

当社は、四方を海に囲まれたわが国の特性を考慮して開発した12式地対艦誘導弾(12SSM)の製造を行うとともに、その改良型の開発を担当してまいりました。

2021年7月、12SSMを大幅に長射程化する12式地対艦誘導弾能力向上型の開発契約を防衛省より受注しました。スタンド・オフ防衛能力の速やかな強化が求められる中、短期間で効率的に長射程化を実現するため、従来のミサイル部門に加えて、社内の研究部門から流体、燃焼、構造などの専門家も参集して取り組んでいます。専門知識を活かし、流体シミュレーションによる機体形状の検討、試験による推進装置の燃焼データ取得など、設計と並行した事前検証を進めています。引き続き、12SSMの技術/製造基盤・実績、陸海空の多様なプラットフォームに搭載する様々なミサイルの開発を通じて獲得した最新技術・経験も活用し、開発を促進していきます。

本ミサイルシステムに限らず、複雑・高度化していく運用環境に対応するためには、電波・通信・電子機器、推進装置、システムインテグレーションなどの技術が必要不可欠です。当社は、これら各種技術の開発・維持・向上を通じて、わが国の安全保障の基礎となる防衛力整備に貢献出来るよう、国内防衛装備品メーカをはじめとする多数のパートナー会社と協力して、活動してまいります。

エンジンの性能試験の様子(筆者は奥)【三菱重工業(株)名誘より提供】

エンジンの性能試験の様子
(筆者は奥)
【三菱重工業(株)名誘より提供】