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<VOICE>新編された電子作戦隊の意義・重要性について

電子作戦隊(東京都練馬区) 電子作戦隊隊長
1等陸佐  門田 宏光(かどた ひろみつ)

電子作戦隊は2022年3月に陸上総隊隷下に新編された、電磁波作戦を主任務とする部隊です。30大綱において、わが国の防衛力の強化の一つとして多次元統合防衛力の構築が示された中で、今、陸上自衛隊に電子作戦隊を新編することの意義・重要性についてご紹介します。

2006年以降、自衛隊の統合運用が進化し、情報収集や指揮統制におけるICT活用が必要不可欠となる中、サイバー・宇宙領域と同じく電磁波領域の自由を確保することの重要性が高まっています。電磁波領域は、公共放送や携帯電話、各種レーダーといった多種多様な電波がとても過密な状態で飛び交っており、神経の通り道のような繊細な環境になっています。その中で、部隊の指揮統制や情報収集に必要な電波を他の電波と重ならないように常時管理することと、我が部隊の行動の自由を奪おうとする相手方の行動に対しては、神経の通り道である電磁波領域に働きかけることが、作戦を成功に導くために大きな意義を有しかつ、重要となります。

陸上自衛隊には昭和の時代から積み上げてきた電子戦のノウハウがあり、かつ全国各地に配置された部隊が各種活動を実施する際に電波などを適切に管理しつつ通信などを確保してきた実績もあります。電子作戦隊は、年々複雑化を増している電磁波領域においてこれまで積み上げられたノウハウや実績をさらに発展させて、この領域での任務を完遂しうるプロ集団を目指していきます

電子作戦隊の新編行事における隊旗の授与

電子作戦隊の新編行事における隊旗の授与

隊員を指導する電子作戦隊長

隊員を指導する電子作戦隊長