航空救難団飛行群秋田救難隊(秋田県秋田市)
副隊長 2等空佐 加納 洋秋(かのう ひろあき)
私は、救難機訓練隊の隊長として、1か月強の期間、アメリカ合衆国グアム島において実施されたコープ・ノース22に参加しました。本訓練では、部隊の戦術的技量及び参加国間の相互運用性の向上を目的とした日米豪共同訓練と、人道支援・災害救援(HA/DR)訓練の2つが実施され、救難機訓練隊は、その両方の訓練に参加しました。参加した救難機は、U-125A捜索機及びUH-60J救助機それぞれ1機で、各種救難活動に関する訓練を実施しました。
特に本年はUH-60JがC-2輸送機により空輸され、初めて海外訓練に参加しました。その実現には様々な苦労があり、UH-60Jを分解してC-2に搭載し、グアム到着後は南国の炎天下、整備員が暑さに負けず機体の組立て作業を実施しました。
コープ・ノース22では、訓練の計画段階から日米豪の関係者が綿密に連携し、過去の教訓や最新の安全保障に関する情報を計画に反映させ、より実相に則した訓練、かつ効果的な訓練となるよう努力しました。
また、新型コロナウイルス感染症の影響による困難もありました。HA/DR訓練においては、豪軍人を模擬遭難者としてUH-60Jに搭乗させる状況がありましたが、「感染しない、させない」ことを全員が徹底して訓練に臨みました。
こうした各種努力を各国が一丸となり継続することで、参加国間の連携強化をより一層図ることができたと思います。引き続き、わが国の平和と地域の安定化のため、日々の訓練及び任務に真摯に取り組んでいくとともに、対面により実施できる数少ない訓練機会を最大限に活用し、各国との連携を深めていきたいと考えます。
U-125A捜索機がアンダーセン空軍基地に着陸後の出迎え
(筆者:右側)
エレファント・ウォークの様子
(UH-60J:先頭、U-125A:3機目)