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<解説>護衛艦「いずも」へのF-35B発着艦検証の実施について

「いずも」型護衛艦は、艦艇が長期的に修理を行う定期検査の機会を活用して、F-35Bの離発着を可能とするための改修を段階的に実施しており、2021年度に「いずも」は、F-35Bの発着艦を可能とするための部分的な改修(F-35Bが発着艦する飛行甲板の耐熱塗装・標識塗装など)である1回目の改修を終了しました。

「いずも」型護衛艦を改修し、洋上においてF-35Bの離発着を可能とすることは、広大な太平洋側を含むわが国の海と空の守りについて、自衛隊員の安全を確保しながら、しっかりとした備えを行うために必要不可欠です。

2021年10月、1回目の改修を終えた護衛艦「いずも」は、2機の米海兵隊F-35Bの支援を得て、海上自衛隊の艦艇として初めてF-35Bの発着艦に関する検証を行い、日中、平穏な天候という条件下では発着艦可能であることが確認されました。また、発着艦に伴う各種データの収集に加え、艦艇におけるF-35Bの運用に関する必要な教育訓練も米国の支援を受けて実施しており、知見を得ることができました。

米国の支援を受けた検証作業の実施は、日米同盟の深化及び日米の緊密な協力を示すものであるとともに、米海兵隊のF-35Bの「いずも」への発着艦は、日米の相互運用性の向上に資するものであり、日米同盟の抑止力・対処力の強化につながるものです。

「いずも」型護衛艦は、ヘリコプター運用機能、対潜水艦作戦機能、指揮中枢機能、人員や車両の輸送機能、医療機能などを兼ね備えた「多機能な護衛艦」です。これらの機能に、F-35Bの運用機能が加わることになりますが、F-35Bを搭載するのは、有事における太平洋の防空、訓練、災害対処などが必要な場合であり、今後とも「多機能な護衛艦」として様々な事態に応じて、保有する機能を十全に発揮できるよう、適切に運用していきます。

海自護衛艦「いずも」飛行甲板における集合写真

海自護衛艦「いずも」飛行甲板における集合写真