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<解説>先端技術に関する研究の強化について

近年、人工知能(AI)や量子技術といった最先端技術は民生において進展が著しく、これらの技術は諸国間のパワーバランスに影響を与えるのみならず、将来の戦闘の在り方を一変させ得ると考えられています。

防衛省としては、こうした変化に対応するためには、既存の防衛力を大幅に強化するだけでなく、いわゆるゲーム・チェンジャーとなり得る民生の最先端技術を防衛分野に積極的に取り込むことが必要と考えています。そのためには、装備品などへの適用効果を定量的に分析し、重要な最先端技術を見極め、その技術をどのように育成し取り入れるかが課題になっています。

そこで、防衛装備庁では、大学、民間企業、国立研究機関などが保有する革新的・萌芽的な技術について、防衛装備庁の研究職技官と各技術分野の第一線で活躍している研究者との意見交換などを通じて積極的に情報収集を行っているほか、先進的な民生技術の育成のために防衛省外の研究組織に研究を委託する「安全保障技術研究推進制度」を実施しています。さらに、防衛装備庁の研究所においては、令和2年度より、有望な先進技術の技術成熟度を引き上げることで、装備品の研究開発への橋渡しを行う「先進技術の橋渡し研究」を進めています。また、令和4(2022)年度より、「ゲーム・チェンジャーの早期実用化に資する取組」として、ゲーム・チェンジャーとなり得る装備品に必要な技術のうち、民間企業などの主導で獲得できる周辺技術については、設計から仮作、試験評価に至るまでの一連の検証を民間企業などに任せることで、研究開発期間の短縮を図っています。

ゲーム・チェンジャーの早期実用化に資する取組の一例(GNSS/INS複合誘導航法装置)

ゲーム・チェンジャーの早期実用化に資する取組の一例
(GNSS/INS複合誘導航法装置)

先進技術の橋渡し研究における試験(無人水上航走体と無人水中航走体の水中光無線通信を想定した試験)

先進技術の橋渡し研究における試験
(無人水上航走体と無人水中航走体の水中光無線通信を想定した試験)