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<VOICE>陸上自衛隊演習に参加した隊員の声

陸上自衛隊第2後方支援連隊(北海道旭川市)
連隊長 1等陸佐  菊地 康治(きくち こうじ)

第2後方支援連隊は、2021年9月から10月の約40日間にわたり、約30年ぶりに実施された陸上自衛隊演習に参加しました。連隊は所属する第2師団の一部として、所在する北海道から約2,000km離れた大分県にある日出生台演習場まで、自隊の車両によるほか、海上自衛隊の輸送艦、フェリーなどの民間輸送手段を組み合わせて機動展開し、同演習場に到着してからは、新領域の脅威である敵の衛星からの監視活動にも留意した後方支援活動を実動により実施しました。本演習は、これまで培ってきた訓練の成果、磨いてきた技術を試す絶好の機会となり、部隊として多くの教訓を得るとともに、何よりも参加した隊員は大きな自信を得ることができました。私が感じている主要な成果は、①師団が全力で全国的な機動展開を実施した後、作戦を実施する際の兵站・衛生の規模を体感して多くの教訓を得たこと、②運用の実効性を向上させるために関係省庁・民間企業との連携や法令の適用などに関し調整すべき点を明らかにできたこと、③参加した隊員の任務に対する意識をさらに高揚させることができたことです。

兵站・衛生等作戦基盤の確立を重視した本演習に参加し、後方支援連隊の任務を完遂することで、領域横断作戦を含む陸上自衛隊の運用の実効性向上に寄与できたと感じております。

陸上幕僚長に現地における部隊の活動状況を報告する筆者(左から2番目)

陸上幕僚長に現地における部隊の活動状況を報告する筆者
(左から2番目)

機動展開後の後方支援任務に従事する隊員

機動展開後の後方支援任務に従事する隊員