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<VOICE>各国防衛駐在官の声

レバノン
防衛駐在官 1等陸佐 秀島 剛明(ひでしま たかあき)

レバント地域西部、地中海東岸の小さくも美しい多宗教・多文化国家レバノンは、中東・欧州・北南米他各国との人の交流も盛んな魅力溢れる地ですが、現在は深刻な政治/経済危機・隣国シリアの内戦・難民問題・ベイルート港大爆発そしてコロナ禍等、国難の渦中にあります。

当地の人々と共に在りつつ、また、各国武官・当国軍・国連機関他の協力を得て、将来の交流基盤の形成と、米露・地域大国等多数の主体が関与する当地域の複雑な軍事情勢の把握・解明に努めています。

国軍民軍協力部訪問(筆者:右)

国軍民軍協力部訪問(筆者:右)

シンガポール
防衛駐在官 1等海佐 栗原 靖(くりはら やすし)

防衛駐在官としてシンガポール政府や軍との調整を行っていますが、東京23区ほどの面積の小さな都市国家であるこの国が行っている国防の取り組みを目の当たりにし、国の独立と安全を守るという国家としての強い意志を肌で感じるとともに、如何に国を守るべきかということを考えさせられています。

インド太平洋地域における活動が増加している自衛隊にとって、地域の中心に位置するこの国は極めて重要な国であり、当地において勤務する防衛駐在官としての役割をしっかりと果たしていく所存です。

レセプションで各国武官と(筆者:中央)

レセプションで各国武官と(筆者:中央)

イスラエル
防衛駐在官 1等空佐 平光 康紀(ひらみつ やすのり)

警報後、空を見上げると2つ航跡雲が見えました。ミサイル防衛システムによるロケット弾迎撃に遭遇した際、市民が落ち着いて生活を続ける姿から如何に信頼されるミサイル防衛能力が大切かを切に感じた瞬間です。イノベーション国家として経済界から注目される技術力は、防衛分野においても世界的に存在感を高めています。アラブ諸国との関係正常化も進む中、日々の情報収集に加え、日本との防衛協力に熱心なイスラエルとの関係を更に深化させるべく引き続き防衛駐在官として尽力する所存です。

オンラインでの外務・防衛当局間(PM)協議(筆者:右端)【イスラエル国防省】

オンラインでの外務・防衛当局間(PM)協議(筆者:右端)
【イスラエル国防省】

チリ
防衛駐在官 2等陸佐 齊藤 智(さいとう さとし)

太平洋の最東端に位置する南米チリの初代防衛駐在官として着任しました。チリは南米の安全保障面で要となる国であり、域内のほとんどの国が武官を派遣しています。チリでは軍の文民統制が重んじられ、また、地震大国であるなど我が国との類似点が多く、基本的な価値観を共有する戦略的パートナーです。「自由で開かれたインド太平洋」に賛同し、我が国自衛隊との交流にも大変関心を示しています。日本からの地理的な距離はありますが、チリの防衛駐在官としてこの距離を乗り越えられるような関係の構築と両国関係の益々の発展に尽力します。

陸軍大将リカルド・マルチネス司令官を表敬する筆者(右)

陸軍大将リカルド・マルチネス司令官
を表敬する筆者(右)