Contents

コラム

防衛白書トップ > コラム > <VOICE>海洋安全保障について~初の自衛官出身大使の声~

<VOICE>海洋安全保障について~初の自衛官出身大使の声~

ジブチ共和国駐箚(ちゅうさつ)特命全権大使
大塚 海夫(おおつか うみお) 氏

ジブチは、国土、人口、資源、GDPのいずれから見ても決して大国ではありませんが、アフリカとアラブ世界の接合部に位置するバブ・エル・マンデブ海峡を扼する戦略的要衝にあり、その巧みな外交力と相まって、「自由で開かれたインド太平洋」の友邦として極めて重要な国です。治安が良く、経済成長もアフリカ随一の力強さを持ち安定しているため、多くの国が軍事拠点を置き、その結果として更に自国の安定度が高くなっています。

日本からの経済協力は、独立後の間もない時期に始まり、治安、教育、インフラ、保健衛生など幅広い分野で草の根レベルに浸透し、ジブチ国民の高い親日感情の醸成に寄与してきました。

今年で自衛隊活動拠点開設から10年を迎えます。この間、自衛隊の海賊対処行動は世界の海上交通の安全確保に貢献してきました。大国エチオピアの外港としての機能を果たすジブチにとって、海上交通の安全は国益に直結しています。海賊対処行動はジブチの安全保障にも寄与しているとの声もあり、ジブチの地に足をつけて活動する自衛隊員は、両国の架け橋となってきました。

日本を代表する立場にある特命全権大使として、防衛と外交が「和」ンチームとなり、拠点開設10周年を機に二国間関係の更なる発展に寄与できるよう努力してまいる所存です。

和食による文化外交の最前線を担う公邸料理人山下元2等海佐とアクリル板を装着した食卓前にて(筆者:右)

和食による文化外交の最前線を担う
公邸料理人山下元2等海佐と
アクリル板を装着した食卓前にて(筆者:右)

ジブチ大統領に信任状を捧呈する筆者(手前右)【ジブチ大統領府】

ジブチ大統領に信任状を捧呈する筆者(手前右)
【ジブチ大統領府】