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<解説>F-4戦闘機の退役 ~ファントムIIの第2の人生~

1972年に導入され、令和までの約50年の長きにわたり日本の空を第一線で守り続けてきた航空自衛隊のF-4戦闘機(ファントムII)は、F-35戦闘機にその席を譲り、多くの隊員に惜しまれつつ令和2(2020)年度末をもって、すべての運用を終了しました。これまで、多くの操縦者とともに空を駆け、時には各地の航空祭で国民と触れあってきたファントムIIは、航空自衛隊外にもファンが多く、これまで多数の書籍、写真集、DVDなどで取り上げていただきました。そんなファントムIIの実物は、もう見ることができないのでしょうか? ここではファントムIIの退役後の第2の人生を紹介いたします。

ファントムIIに限らず、これまで航空自衛隊で運用してきた重要な装備品は、その役目を終えると、航空自衛隊の各基地や浜松広報館(エアーパーク)、又は「防衛省所管に属する物品の無償貸付及び譲与等に関する省令」に基づき、要望される地方自治体、博物館などにおいて展示機(品)となることが第2の人生の始まりとなります。

ファントムIIは、航空自衛隊内においては、これまで千歳、三沢、百里、岐阜、新田原及び那覇の各基地に展示され、令和2(2020)年度は新たに小松、美保及び築城の各基地並びにエアーパークに展示され、隊員の士気高揚に役立つとともに、航空祭などに来基される皆様に楽しんでいただいております。

一方、航空自衛隊外においては、青森県立三沢航空科学館(青森県三沢市)及び茨城空港公園(茨城県小美玉市)に展示されています。2011年からファントムIIを展示いただいている茨城県小美玉市からは、「とても迫力のある機体を間近で見られてとてもうれしい」、「機体があるだけでイベントが華やかになる」というような市民、茨城空港公園来場者及び職員の皆様の声をいただいており、我々としても嬉しい限りです。

もしかしたらこの先、別の地方自治体、博物館等において、ファントムIIの新たな展示が実現するかもしれません。お楽しみに。

F-4戦闘機の退役~ファントムIIの第2の人生~