自衛隊中央病院(東京都世田谷区)
呼吸器内科医官 1等陸佐 河野 修一(かわの しゅういち)
私は、現在自衛隊中央病院で新型コロナウイルス感染者の診療に従事しています。自衛隊中央病院は、東京都に4か所ある第一種感染症指定医療機関の一つとして、これまでに700例以上の症例を受入れました。中には人工呼吸器を装着し、集中治療が必要となるような重篤な患者もいます。
診療にあたっては、専門の垣根を越えて様々な診療科の医官と力を合わせ、患者に24時間寄り添い高いレベルのケアを提供してくれる病棟の看護官をはじめ、すべての病院職員が一丸となって、ひっ迫する東京の医療を支えていることに、医官として大きなやりがいを感じています。その一方、不眠不休の中、全力で対応しても救うことができなかった命もあり、自らの力不足を感じることもありました。個人防護衣を身に着けながらの精神的、肉体的に負荷のかかる長期間の診療の中でのチームビルディングの難しさなど、実際の診療でしか得られない多くの教訓や様々な課題を得ることもできました。
今後も新型コロナウイルス感染症への対応を続けながら、これまでに得られた知見や教訓を感染症の対応のみならず、様々な事象に活用し、自衛隊衛生の能力向上に寄与していきたいと考えています。
感染症対応医師による電子カルテを用いたカンファレンス風景
(筆者:前列左)
新型コロナウイルス感染症患者の治療にあたる筆者(中央奥)