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<VOICE>護衛艦隊の各種戦能力の向上

海上自衛隊水上戦術開発指導隊司令
(神奈川県横須賀市)
1等海佐 本山 勝善(もとやま かつよし)

海上自衛隊はいかなる事態においても適切に対処できる能力を保有するため4つの分野(「人」「機能」「構想」「協同」の充実)に努力を集中し、任務の完遂を目指しています。

水上戦術開発指導隊(以後、戦術隊と記載)は、戦略・戦術などの分析・開発、作戦や装備開発能力の向上にかかる態勢を整備するとともに、蓄積した知識・経験を適切に管理共有することにより、艦隊の能力を最大発揮し、従来とは異なる発想を含めて、4つの分野の一つである「構想」の充実を具現化する部隊として、2020年10月に誘導武器教育訓練隊を母体として新編されました。

艦上において訓練指導中の筆者(手前左から3人目)

艦上において訓練指導中の筆者(手前左から3人目)

戦術隊の任務は、前身である誘導武器教育訓練隊の任務(誘導武器システム等に関する教育訓練)に加えて、水上戦術(BMD、対空戦及び対水上戦)の開発・改善、その他の各種戦における護衛艦等の運用の改善、それらに関する訓練指導です。

海上自衛隊が任務を完遂できるかは、戦略・作戦・戦術の適否によるところが大きいため、技術の進展に伴う装備・戦い方をめぐる環境の変化に応じた柔軟な発想を大胆に取り入れつつ、限られた資源を有効に活かし、闘い/戦いに勝利しなければならず、戦術隊隊員一同、精強な艦隊のため、水上戦術の開発・改善に鋭意取り組んでいます。

また各種戦術を場面に応じて選択、活用するのは運用する人であり、戦術隊は、各種戦術に関する知識、過去の教訓などをしっかりと蓄積管理し、訓練指導などを通じて艦隊内で共有するとともに、その確実な定着に尽力してまいります。

水上戦術開発隊開隊時に庁舎前にて

水上戦術開発隊開隊時に庁舎前にて