海上自衛隊第3航空隊(神奈川県大和市)
1等海尉 岡田 彩夏(おかだ あやか)
私は、2017年と2019年にそれぞれ1年ずつ育児休業制度を取得し、2020年7月の職場復帰後も、P-1哨戒機の機長資格を得るべく養成訓練に励みながら、2児の子育てをしています。訓練中、いつも痛感するのは、機長として部下を指揮することの大変さです。刻々と情勢が変わる上空の場面において次々と判断を下すことも大変ですが、自分の意図を正しく部下に伝え、的確に指揮することはもっと大変です。
一方で、月並みな表現ですが、子育ても本当に大変です。職場の方々にサポートをいただきながら、夫とともに子育てしてきました。夫は自衛官ではありませんが私の仕事をよく理解してくれており、また、職場の皆様の配慮にも感謝しかありません。
現在は、子育てと養成訓練を両立している私だからこそ目指せる「P-1の機長像」があると感じています。後輩たちに「真の女性活躍」を示すとともに、子供に誇れる母親の姿を見せるために、仕事も家庭も全力で両立しながら、胸を張って言います。
「お母さん、P-1の機長を目指します」。
家族との一コマ(筆者:左から2人目)
養成訓練中の筆者(右)
情報本部(東京都新宿区)
2020年3月、子供も独り立ちし、夫婦2人の生活となった矢先、妻の父親が脳梗塞で倒れ、実家での在宅介護が始まりました。義父は要介護5という状況だったので在宅での介護に不安はありましたが、妻が専業主婦なので介護職員などの支援を受ければなんとかなると腹を括りました。
介護を始めて直ぐに、妻が介護に専念するためには誰かが掃除、洗濯、食事の支度などの家事をする必要があるという至極当たり前の現実に直面しました。
夫婦2人の生活ですので当然、私が年次休暇、フレックスタイム制などを活用して家事・介護時間を確保していました。しかし、次第に年次休暇だけでの時間確保では限界になり、このまま介護を続けていくためには介護休暇など、その他の制度を最大限活用しなければやっていけないと思いました。
家族での介護は一人一人の負担を分散することが大事です。誰かが疲れてしまっては円満な家庭を維持できません。それこそ仕事にも集中できなくなります。
親の介護はいつ来るか分かりません。
私は義父の介護を通じて、介護と仕事を両立するためだけでなく、家族のためにも平素から制度を知り、職場の理解を得て、遠慮なく制度のメリットを最大限活用することに努めなければならないと実感しています。
義父との会話(筆者:左)
父の介護をする妻(口腔内清拭)