任務の多様化と医療技術の高度化に対応し得る資質の高い看護師の養成を目指し、14(平成26)年4月、防衛医科大学校医学教育部に4年制の保健師および看護師の養成課程として「看護学科」を設立した。看護学科には、幹部自衛官となるべき者を養成する課程と高度な医療技術を必要とする技官となるべき者を養成する課程の二つのコースがある。
防衛医大入校式で訓示する西防衛事務次官
現在、医官の充足率は中堅層を中心に低い。この要因は医官の離職であり、その主な理由の一つとしては「医師としての研修・診療機会の不足」があげられる。防衛省・自衛隊としては、研修・診療機会の拡充、モチベーションの向上などを図ることにより離職を防止するための各種施策を講ずることとしている。また、中期防を踏まえ、看護師などへの教育を強化し、高度な技能を有する要員の確保に努めていく。
自衛隊病院は各種事態対処時には後送病院としての役割を果たし、平素は、診療、医療従事者の教育機関としての役割を有している。
そのため、防衛大綱および中期防に基づき、自衛隊病院の拠点化・高機能化などを進め、地域医療にも貢献しつつ、質の高い医療体制の確立を図る。また、事態対処時における第一線での救護能力について、制度面も含めた所要の検討を行うとともに、迅速な後送態勢の整備を図る。また、一般の医科大学にはない防衛医学の教育・研究拠点としての防衛医科大学校の機能を強化することとしている。