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第I部 わが国を取り巻く安全保障環境

3 対外関係など

1 全般

中国は、特に、海洋における利害が対立する問題をめぐり、力を背景とした現状変更の試みなど、高圧的とも言える対応を継続させ、自らの一方的主張を妥協なく実現しようとする姿勢を示している。また、14(平成26)年5月には、習近平国家主席がCICAにおいて軍事同盟を批判し、「アジア人によるアジア安全保障」を提唱するなど、独自の国際秩序形成への動きもみられるとともに、米国との間で「新型の大国関係」72の構築を提案し、自らの「核心的利益」の尊重を求めているほか、アジア太平洋における「米中棲み分け」などを認めさせようとしているとの指摘もある。一方、中国は、持続的な経済発展を維持し、総合国力を向上させるためには、平和で安定した国際環境が必要であるとの認識に基づき、諸外国との間において、軍高官による相互訪問や合同軍事演習などを含む軍事交流を積極的に展開している。近年では、米国やロシアをはじめとする大国や東南アジアを含む周辺諸国に加えて、アフリカ諸国や中南米諸国などとの軍事交流も活発に行っている。他方、中国が軍事交流を推進する目的としては、諸外国との関係強化を通じて中国に対する懸念の払拭に努めつつ、自国に有利な安全保障環境の構築や国際社会における影響力の強化を図ることや、資源・エネルギーの安定的な確保や海外拠点の構築などがあるものと考えられ、中国の軍事交流は、国家利益を保護するための戦略的手段として、全体的な外交戦略の枠組みの一つとして位置づけられているとみられる。このほか中国は、国際金融の分野でも、BRICS開発銀行を設立したほか、AIIBの設立準備などを進めている。

2 台湾との関係

中国は、台湾は中国の一部であり、台湾問題は中国の内政問題であるとの原則を堅持しており、「一つの中国」の原則が、中台間の議論の前提であり、基礎であるとしている。また、中国は、平和的な統一を目指す努力は決して放棄しないとし、台湾人民が関心を寄せている問題を解決し、その正当な権限を守る政策や措置をとっていく旨を表明する一方で、外国勢力による中国統一への干渉や台湾独立を狙う動きに強く反対する立場から、武力行使を放棄していないことをたびたび表明している。05(同17)年3月に制定された「反国家分裂法」においては、武力行使の不放棄が明文化されている73

12(同24)年1月の総統選挙において再選された台湾の馬英九(ば・えいきゅう)総統(国民党)は、二期目も引き続き、中国との経済交流の拡大による台湾経済の発展や、独立よりも現状維持を追求する政策を掲げている。中台関係は、経済協力枠組取決め(ECFA:Economic Cooperation Framework Agreement)の発効をはじめとして、経済分野を中心に進展している。また、14(同26)年2月には、南京において、中国国務院台湾事務弁公室主任と台湾行政院大陸委員会主任委員が中台間で初となる閣僚級会談を行った。しかし、14(同26)年11月に行われた統一地方選挙で国民党は大敗を喫しており、今後の中台関係にも影響が及ぶ可能性がある。一方、安全保障面では、中国側は、中台が適当な時期に軍事問題にかかる接触・交流を行い、軍事安全保障の相互信頼醸成メカニズムの構築を検討することなどを呼びかけているのに対して、台湾側は、条件が整っていないとし、慎重な姿勢を示している74。また、尖閣諸島について、中台はそれぞれ独自の主張を展開75しているが、台湾は中国との連携については否定的な態度を示している。軍事問題を含む政治対話の動向、および16(同28)年に実施が予定されている次期総統選挙を見据えた今後の中台関係の動向が注目される。

3 米国との関係

米中間には、中国の人権問題や台湾問題、貿易問題など、種々の懸案が存在している。一方、中国側としては、安定的な米中関係は経済建設を行っていくうえで必須であり、今後もその存続を望んでいくものと考えられる。

米国は、中国の安定的、平和的、繁栄的な台頭を歓迎するとしており、米中間の協力関係を今後もさらに発展させるとしているが、その一方で、海洋安全保障、国際貿易、人権問題などの国際的課題について、国際ルール・規範を遵守するよう中国に求めるとともに、中国の軍備近代化およびアジアでのプレゼンス拡大を引き続き注視するとしている76。これに対し、中国側は、相互尊重および「ウィン・ウィン」の協力などに基づく「新型の大国関係」と中国側が呼称する関係の構築を希望しているが、その具体的な内容については、米中間でコンセンサスが得られているわけではない77

尖閣諸島については、米国は日米安全保障条約が同諸島に適用される旨繰り返し表明している78。これに対し中国は、同諸島を「当該条約の適用範囲に入れるいかなる言動も受け入れられない」(10(同22)年中国外交部報道官発言)などと反発する姿勢を示している。また、南シナ海をめぐる問題については、公平で平和的な紛争の解決と公海における航行の自由の原則を守るために行動を起こす旨の発言が様々な機会を通じてなされている79

米中間では、軍事面での交流も進展し、各種の政策対話が行われてきたほか、米軍の演習へのオブザーバーの派遣、海軍艦艇の相互訪問の機会における共同訓練が行われ、08(同20)年4月には両国の国防当局間にホットラインが開設された。また、13(同25)年11月、米中陸軍が人道支援・災害救助演習を実施したほか、14(同26)年6月からの環太平洋合同演習(リムパック)には、中国海軍の艦艇が初めて参加した。しかしながら、中国は、米中両軍間の関係を発展させることを望みつつも、両軍関係の健全な発展を実現するには、台湾への武器売却、米軍艦艇・航空機による中国のEEZにおける活動、両軍交流における法的障害、米側による対中戦略的信頼の欠如といった問題を解決する必要があるとも主張している80。また、08(同20)年10月および10(同22)年1月に米国防省が台湾への武器売却を議会に通知した際には、米国との主要な軍事交流の中止を通告するなど、米中間の軍事交流には不安定な側面もみられる。これに対して、米国は、中国の軍事力の発展や意思決定過程の透明性の欠如などは中国の将来の行動と意図について疑問を抱かせるものであり、米中関係は、信頼を増進し、誤解を減らすプロセスによって下支えする必要があるとしている。このため米国は、軍事交流においても、問題が生じるたびに軍事交流が中断される状況を改善し、より安定的な意思疎通のチャンネルを維持できる関係の構築を目指すとみられ、近年では、たとえば米中戦略・経済対話において、11(同23)年に戦略安保対話が創設され、同対話はこれまで毎年開催されている。

4 ロシアとの関係

89(同元)年にいわゆる中ソ対立に終止符が打たれて以来、中露双方は、継続して両国関係重視の姿勢を見せている。90年代半ばに、両国間で「戦略的パートナーシップ」を確立して以来、同パートナーシップの深化が強調されており、01(同13)年には、中露善隣友好協力条約81が締結されている。04(同16)年には、長年の懸案であった中露国境画定問題も解決されるに至った。両国は、世界の多極化と国際新秩序の構築を推進するとの認識を共有し、近年では、通貨スワップ協定、高速鉄道協力、多数の投資枠組み協定のほか、天然ガスパイプライン建設による資源・エネルギー供給などの経済的な動機もあり、中露は関係を一層深めている。

軍事面では、中国は、90年代以降、ロシアから戦闘機や駆逐艦、潜水艦など近代的な武器を購入しており、中国にとってロシアは最大の武器供給国である。他方、中国の武器国産化の進展などを背景に近年取引額が低下傾向にあるとされているが、中国は引き続きロシアが保有するSu-35戦闘機やS-400対空ミサイルといった先進装備の輸入に強い関心を示しているとの指摘もある82。また、ロシアは、陸上で国境を接する中国に対して自国に脅威が及ぶような特定の高性能武器は供与しないなどの方針を有しているとの指摘や、武器輸出における中国との競合を懸念しつつあるとの指摘もある。なお、中国は空母「遼寧」の元となった未完成のクズネツォフ級空母「ワリャーグ」をウクライナから購入しているように、武器調達の面でウクライナとの関係が深く、今後のウクライナ情勢も注目される。

中露間の軍事交流としては、定期的な軍高官などの往来に加え、12(同24)年4月、13(同25)年7月、14(同26)年5月および15(同27)年5月にそれぞれ、黄海、ウラジオストク沖の日本海、東シナ海北部および地中海において、海軍による大規模な合同軍事演習「海上協力」などを行っており83、中国としては、これらの交流を通じて、両国軍の間の相互理解や信頼醸成を進めるだけではなく、ロシア製兵器の運用方法やロシア軍の作戦教義などを学習することなどが可能になると考えられる。また、15(同27)年には、中露双方の戦勝70周年記念行事に、両国首脳が参加することで合意し84、5月にモスクワで開催された戦勝70周年記念式典に習近平国家主席が出席するとともに、軍事パレードに人民解放軍も参加した。

5 その他の諸国との関係
(1)東南アジア諸国との関係

東南アジア諸国との関係では、引き続き首脳クラスなどの往来が活発であり、中国は、各国との二国間関係の発展を図ってきている。たとえばミャンマーとは従来から良好な関係を有しており、石油や天然ガスのパイプライン建設や港湾、鉄道などの開発を含むインフラ整備を支援しているほか、主要な装備品の供給元となっている。この背景には、ミャンマーは中国にとってインド洋へ最短距離でアクセスする位置にあることも関係しているとの指摘もある85

一方、14(同26)年5月の西沙諸島における中国による油ガス田掘削を契機に、ベトナムとの関係は緊迫の度を増している。同様にスカボロー礁、セカンドトーマス礁などを巡り、フィリピンとの係争も継続しており、ASEAN諸国の中でも中国の南シナ海進出に対する警戒感をあらわにする諸国も存在する。

ASEAN+1(中国)やASEAN+3(日本、中国および韓国)、ASEAN地域フォーラム(ARF:ASEAN Regional Forum)といった多国間の枠組みにおいても中国は積極的な関与を行っている。中国は、13(同25)年10月に、習近平国家主席がインドネシアおよびマレーシアを、李克強(り・こくきょう)総理がブルネイ、タイおよびベトナムを訪問しており、外交の場を利用して、ASEAN諸国との間の経済的、文化的協力関係の深化を進めるとともに、最近では、軍高官の往来や部隊間の交流・協力を含む軍事交流を活発化させるなど、安全保障分野における協力関係を進展させることに積極的である。

(2)中央アジア諸国との関係

中国西部の新疆ウイグル自治区は、中央アジア地域と隣接している。カザフスタン、キルギスおよびタジキスタンの3か国とは直接国境を接し、それぞれの国境地帯にまたがって居住する少数民族があり、人的交流も活発である。そのため、中国にとって中央アジア諸国の政治的安定やイスラム過激派によるテロなどの治安情勢は大きな関心事項であり、01(同13)年6月に設立された上海協力機構(SCO:Shanghai Cooperation Organization)への関与は、中国のこのような関心の表れとみられる。また、中国は、資源・エネルギーの供給源や調達方法の多様化などを図るため、中央アジアの豊富な資源・エネルギーに強い関心を有しており、中国・中央アジア間に石油や天然ガスのパイプラインを建設するなど、中央アジア諸国とのエネルギー分野での協力を進めている。

(3)南アジア諸国との関係

中国は、パキスタンと従来から特に密接な関係を有し、首脳級の訪問が活発である86ほか、JF-17戦闘機の共同開発を行うなど、武器輸出や武器技術移転を含む軍事分野での協力関係も進展しているとみられている。中国経済のグローバル化にともない中国にとって海上輸送路の重要性が増す中、パキスタンがインド洋に面しているという地政学上の特性もあり、中国にとってパキスタンの重要性が高まっていると考えられる。

中国は、インドとの間に国境未確定地域を抱えており、近年も当該地域においては、両国間で「トラブル」が発生したとされている87。一方、近年中国は、パキスタンとのバランスにも配慮しつつ、インドとの関係改善にも努めており、インドとの関係を戦略的パートナーシップの関係にあるとし、積極的な首脳往来を行っている。インドとの関係進展の背景には、中印両国における経済成長の重視や米印関係の強化の動きへの対応があるものと考えられる。

また、近年中国はスリランカとの関係構築も進めており、ハンバントタにおいて深海港を建設したほか、主要都市コロンボにおいても港湾都市開発事業をスリランカ政府と合同で進めている。しかし、15(同27)年1月の選挙に勝利したシリセナ大統領は、過度の中国依存を批判し、日米印などとの関係強化に言及していることから、対外関係においてバランスを志向していくものとみられ、今後の中スリランカ関係が注目される。

軍事交流としては、中国とパキスタンやインドとの間で、03(同15)年以降、海軍共同捜索・救難訓練をはじめ、各種の共同訓練が行われている。

(4)EU諸国との関係

近年、中国にとってEU(European Union)諸国は、特に経済面において、わが国、米国と並ぶパートナーとなっている。中国は、外交の場を利用して、EU諸国に対し、89(同元)年の天安門事件以来の対中武器禁輸措置の解除を強く求めてきている88

EU加盟国は、情報通信技術、航空機用電子機器、潜水艦の大気非依存型推進システムなどにおいて中国や中国に武器を輸出しているロシアよりも進んだ軍事技術を保有している。EUによる対中武器禁輸措置が解除された場合、EU諸国の武器や軍事技術が中国に移転されたり、ロシアとの武器取引を有利にするための交渉材料として用いられたりする可能性がある。このため、わが国からEUに対しては、対中武器禁輸措置の解除に一貫して反対の意を表明するとともに、EU加盟国に対し、中国への武器および汎用品ならびにそれらの技術の輸出管理をより厳格に行うよう申し入れてきているが、引き続き今後のEU内の議論に注目していく必要がある。

(5)中東・アフリカ諸国、太平洋島嶼国および中南米諸国との関係

中国は、従来から、インフラ建設支援や資源・エネルギー開発への積極的な投資などの経済面において、中東・アフリカ諸国との関係強化に努めており、その影響力をさらに拡大させつつある。近年では、首脳クラスのみならず軍高官の往来も活発であるほか、武器輸出や部隊間の交流なども積極的に行われている89。このような動きの背景には、資源・エネルギーの安定供給を確保するねらいのほか、将来的には海外拠点の確保も念頭においているとの見方がある90。また、中国はアフリカにおけるPKOミッションへ要員を積極的に派遣しているほか、エボラ出血熱対応のためにシエラレオネおよびリベリアに公共衛生の専門家グループを派遣しており、同地域への関与を強めている。

中国は、太平洋島嶼国との関係も強化しており、パプア・ニューギニアにおいて石油、天然ガス、コバルト鉱山などの開発を進めているほか、同国と軍事協力に関する協定を締結している。また、他の島嶼国に対しても積極的かつ継続的な経済援助を行っているほか、フィジーやトンガとの間では軍事交流を進める動きもみられる91

中南米諸国との関係では、アルゼンチンやブラジルをはじめとする各国を軍高官が継続的に訪問しているほか、11(同23)年に中国海軍の病院船による医療サービス任務を実施したり、15(同27)年1月に中国と中南米カリブ諸国共同体(CELAC:Comunidad de Estados Latinoamericanos y Caribeños)の初めてとなる閣僚級会議を開催したりするなど、一層の関係強化に努めている。

6 武器の国際的な移転

中国は、10(同22)年以降、武器輸出総額が輸入総額を逆転しており、アジア、アフリカなどの開発途上国に小型武器、戦車、航空機などの供与を拡大している。具体的には、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマーなどが主要な輸出先とされているほか、モロッコ、タンザニア、ナイジェリア、エジプトなどのアフリカ諸国や、ベネズエラ、ボリビアなどの中南米諸国にも武器を輸出している。中国からの武器移転については、友好国との戦略的な関係の強化や国際社会における発言力の拡大のほか、資源・エネルギーの獲得にも関係しているとの指摘がある。また、中国は、民主主義や人権の観点から問題のある国家に武器を供給しているとの指摘もあり92、中国が、国際社会の懸念に応えて武器の国際的な移転に関する透明性を向上させていくかが注目される。

72 「新型の大国関係」とは、12(平成24)年に習近平国家副主席(当時)が訪米した際、オバマ大統領との会談で用いたのが始まりで、中国側は①衝突・対抗せず、②相互尊重、③協力・「ウィン・ウィン」の3点であると説明している。

73 同法は、「『台独』分裂勢力(『台湾独立』をめざす分裂勢力)がいかなる名目、いかなる方式であれ台湾を中国から切り離す事実をつくり、台湾の中国からの分離をもたらしかねない重大な事変が発生し、または平和的統一の可能性が完全に失われたとき、国は非平和的方式その他必要な措置を講じて、国家の主権と領土保全を守ることができる」と規定している。

74 中国については、08(平成20)年12月31日に行われた、「台湾同胞に告げる書」30周年記念座談会における胡錦濤(こ・きんとう)党総書記(当時)による談話。台湾については、13(同25)年3月13日に台湾国防部が発表した「4年毎の国防見直し(QDR:Quadrennial Defense Review)」

75 台湾当局の船舶は、12(平成24)年に3回、尖閣諸島周辺のわが国領海へ侵入した。

76 米国「国家安全保障戦略」(15(平成27)年2月)

77 米中が「対等」で「特別」な関係であるとする「(新型の)大国関係」という概念について米国は慎重であり、いわゆる「核心的利益」という用語も用いず、中国の一方的主張に与しない姿勢を示している。

78 14(平成26)年4月、オバマ米大統領は、歴代大統領として初めて、尖閣諸島への日米安全保障条約第5条の適用を明言した。

79 たとえば、15(平成27)年5月22日、バイデン米副大統領は米国海軍士官学校卒業式での演説において、「南シナ海の係争海域では、米国はいかなる国の主張に対しても特権を与えない。しかし、米国は堂々と紛争の平和的解決や公海における航行の自由の原則のために立ち上がる」と述べている。

80 ゲイツ米国防長官(当時)との会談における徐才厚中央軍事委員会副主席(当時)の発言(09(平成21)年10月)。また、馬暁天(ば・ぎょうてん)副総参謀長(当時)は、10(同22)年12月に開催された第11回米中防衛協議の場において、「米側による対台湾武器売却、議会による両軍交流を制限する関連法および米国艦艇・航空機の中国の排他的経済水域における頻繁な偵察は、両軍関係を発展させる上での主な障害である」と発言している。

81 同条約は、軍事面において、国境地域の軍事分野における信頼醸成と相互兵力削減の強化、軍事技術協力などの軍事協力、平和への脅威などを認識した場合の協議の実施などに言及している。

82 S-400対空ミサイルの輸入について、中露間で合意に至ったとの指摘がある。他方、中国はロシア製のSu-27戦闘機を元にJ-11B戦闘機を独自に再設計するなど、軍事科学技術の剽窃(ひょうせつ)、コピーを行っていると指摘されており、ロシアは中国に対し強い不満と疑念を抱き、Su-35戦闘機やS-400対空ミサイルなどの最新鋭の装備品の供給には慎重であるとの指摘もある。

83 中露間では、05(平成17)年8月に初めての大規模な合同軍事演習が中国の山東半島などで行われた。また、07(同19)年8月、09(同21)年7月、10(同22)年9月、12(同24)年6月、13(同25)年7月から8月および14(同26)年8月には、SCO加盟国による対テロ合同演習「平和の使命」が行われた。

84 15(平成27)年2月6日の定例記者会見において、中国外交部報道官が公表した。

85 ミャンマーは、外交姿勢について、極端な対中依存からの脱却を図りつつあるとみる向きもある。

86 15(平成27)年4月には、習近平が国家主席として約9年ぶりにパキスタンを公式訪問し、首脳会談で中パ経済回廊構築や安全保障協力強化の姿勢が強調された。中国は、パキスタンのグワダル港を起点とする中パ経済回廊を「一帯一路」構想の旗艦プロジェクトと位置づけており、同回廊構築に460億ドルを投資すると発表した。

87 13(平成25)年8月、中国国防部報道官会見による。また、14(同26)年9月に習近平が訪印した際、モディ首相は中国人民解放軍による同地域における越境行為への懸念を表明し、問題解決の必要性を主張した。

88 たとえば、10(平成22)年11月には胡錦濤国家主席(当時)がフランスを訪問し、中仏双方が対中武器禁輸措置の解除を支持する旨を盛り込んだ共同声明を発表するなど、EU内の一部には対中武器禁輸の解除に前向きな姿勢を示す国もあるとみられる。

89 15(平成27)年2月6日、中国外交部は、駐アフリカ連合(AU:African Union)使節団の設置を発表した。

90 15(平成27)年5月、ジブチのゲレ大統領は、ジブチ港への中国軍基地設置について中国側と交渉していることを明らかにした。

91 中国は、14(平成26)年8月から9月にかけて、トンガ、フィジー、バヌアツ、パプア・ニューギニアに対し、病院船による医療サービス任務「調和の使命2014」を実施した。

92 ISILの使用武器には中国製の装備(FN-6携帯式防空ミサイルシステム)などが確認されている。