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第III部 わが国の防衛のための取組

7 日英防衛協力・交流

英国は、欧州のみならず世界に影響力を持つ大国であるとともに、わが国と歴史的にも深い関係があり、安全保障面でも米国の重要な同盟国として戦略的利益を共有している。このような観点から、国際平和協力活動、テロ対策、海賊対策などのグローバルな課題における協力や地域情勢などに関する情報交換を通じ、日英間で協力を深めることは、わが国にとって非常に重要である。

英国との間では、12(平成24)年4月、キャメロン首相が来日した際、「日英両国首相による共同声明~世界の繁栄と安全保障を先導する戦略的パートナーシップ~」が発表され、政府間の情報保護協定の交渉開始、防衛協力覚書署名への支持、共同開発および共同生産のための適当な防衛装備品などの特定などを推進することとした。また、防衛当局間では、同年6月に防衛協力のための覚書を取り交わしたほか、13(同25)年1月に防衛事務次官が英国を訪問し、ロバトン閣外大臣およびマリソン国防政務次官(国際安全保障戦略担当)を表敬するとともに、トンプソン国防次官との会談を行った。会談では、引き続き情報共有を図り、様々なレベルで日英防衛協力を深化させていくことで一致した。同年7月、両政府は、防衛装備品などの共同開発などにかかる政府間枠組みを締結するとともに、化学・生物防護技術に関する共同研究を開始した。また、同年7月に署名された日英情報保護協定が14(同26)年1月に発効し、二国間の情報共有の基盤が整備された。

同年5月、安倍内閣総理大臣が英国を訪問して行われた首脳会談において、両首脳は、安全保障分野の協力強化のため、外務・防衛閣僚会合の初開催、ACSA締結交渉の開始、自衛隊と英国軍の共同訓練の強化を目指すことについて一致した。同月、木原防衛大臣政務官が英国を訪問し、マリソン国防政務次官およびダン国防政務次官(防衛装備品、支援、技術担当)と会談を行った。

同月末のシャングリラ会合の機会に、小野寺防衛大臣はハモンド国防大臣と会談を行い、日英間の防衛協力や地域情勢について意見交換を行い、ACSAの締結に向けて両国間で引き続き議論を密にしていくとともに、装備技術協力の推進のために事務レベルでの対話枠組みを設置することで一致した。

軍種間では、13(同25)年12月、英海軍第1海軍卿が来日したほか、14(同26)年3月、英陸軍参謀長が来日し、陸幕長と意見交換などを行い、PKOや人道支援・災害救援などに関する協力について今後具体化を図ることで一致した。

参照資料54(最近の日英防衛協力・交流の主要な実績(過去3年間))