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第III部 わが国の防衛のための取組

5 日露防衛交流・協力

1 ロシアとの防衛交流・協力の意義など

ロシアは、欧州、中央アジアおよびアジア太平洋地域の安全保障に大きな影響力を持ち、かつ、わが国の隣国でもあることから、日露の防衛交流を深め、信頼・協力関係を増進させることはきわめて重要である。防衛省・自衛隊は、様々な分野で日露関係が進展する中、99(平成11)年に作成された日露防衛交流に関する覚書(06(同18)年改定)に沿って、各レベルで着実にロシアとの交流を進めており、外務・防衛当局間による安保協議や、局長・審議官級の防衛当局間協議をはじめ、日露海上事故防止協定に基づく年次会合、さらに、捜索・救難共同訓練などを継続的に行っている。

2 最近の主要な防衛交流実績など

13(同25)年4月に行われた日露首脳会談では、アジア太平洋地域の役割の増大と、国際的安全保障分野における大きな変化の中で、日露両国間の安全保障・防衛分野における協力を拡大することの重要性を確認し、外務防衛閣僚協議(「2+2」会合)を立ち上げることで合意した。

同年11月に実施された初の「2+2」会合において、陸軍種間の部隊間交流および演習オブザーバー相互派遣の定例化、アデン湾における海自とロシア海軍の海賊対処部隊間の共同訓練の実施および日露サイバー安全保障協議の定例開催などで合意した。

同年12月、海自は14回目となる日露捜索・救難共同訓練を実施した。本訓練では、「2+2」会合での合意に基づき、ロシアとの間で初めてテロ・海賊対処訓練も行われた。

14(同26)年2月、8年ぶりに陸幕長のロシア訪問が実現し、陸幕長が初めてハバロフスク(東部軍管区)を訪問した。同年3月には、陸自北部方面隊とロシア東部軍管区との間の部隊間交流が昨年に続き行われた。

同年3月以降、ウクライナをめぐる情勢が緊迫化する中、防衛省としては、ロシアとの防衛交流について、国際社会の動向などを踏まえ適切に対応していく。

参照資料52(最近の日露防衛協力・交流の主要な実績(過去3年間))