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<解説>在沖米海兵隊のグアム移転開始

2024年12月、在沖米海兵隊の日本国外への移転の第一段階として、第3海兵機動展開部隊(IIIMEF)の後方支援要員約100名による先遣隊が、沖縄からグアムへの移転を開始した旨を発表しました。移転開始に先立ち、2023年1月には70年ぶりの新たな海兵隊基地としてグアムでキャンプ・ブラズが再発足し、沖縄から移転する海兵隊要員の主な活動拠点となるべく始動しています。

また、海兵隊要員の受け入れ態勢を整えるため、日本政府も移転のための費用の一部として資金を提供し、日米が共同してグアム島における施設整備を行ってきました。移転開始時点においては、キャンプ・ブラズの基地管理庁舎や消防署、グアム海軍基地アプラ地区の司令部庁舎や診療所が完成しています。施設整備に当たっては、グアム当局とも協力し、グアムの文化や歴史を尊重しながら進めており、キャンプ・ブラズ内には工事中に発見されたグアムの先住民族であるチャモロ族の遺骨の埋葬記念碑が設置されています。

このように、グアム移転に必要な取組を着実に進め、移転開始という節目を迎えたことは、大きな意義があるものです。

今後、移転は段階的に行われ、4,000名以上の海兵隊の要員が沖縄からグアムに移転することを日米間で確認しています。日米同盟の抑止力・対処力の強化と、沖縄を始めとする地元の基地負担の軽減の両立に留意しつつ、グアム移転を着実に実施すべく、米側と協力していきます。

米海兵隊基地キャンプ・ブラズ再発足・命名式典の様子(2023年1月)

米海兵隊基地キャンプ・ブラズ再発足・命名式典の様子(2023年1月)