消防庁 広域応援室 広域応援企画係長 平井 裕己(ひらい ゆうき)
2024年の能登半島地震では、発災当初、災害現場までの陸路進出に困難が伴ったため、自衛隊のヘリや艦船により、空路・海路から消防車両や隊員などを輸送し、災害現場に進出しました。有事の際に関係機関と連携し、迅速な輸送体制を構築していくことの重要性を再認識しました。
「令和6年度自衛隊統合防災演習」では、緊急消防援助隊を北海道へ迅速に進出させるため、部隊規模や搭載する車両・資機材等の輸送ニーズを防衛省に伝えるなど、より実践的な輸送調整を行うことができました。
南海トラフ地震や日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震などが発生した際、人命救助において、輸送支援、道路啓開、大規模捜索などを行う自衛隊の役割は益々重要となっています。引き続き、自衛隊、消防などの実動機関の連携を強固なものとし、オールジャパンで大規模災害に対応していきます。
2024年能登半島地震時の輸送連携
消防庁における図上訓練中の様子(筆者は一番右)