陸自は、2024年8月から9月にかけて、米・インドネシア陸軍主催、オーストラリア、英国、シンガポール参加による多国間共同訓練に参加した。本訓練では、空挺作戦および水陸両用作戦を共同で演練した。また、戦闘射撃訓練では、共同による攻撃戦闘を実射・実爆で演練するなど、島嶼奪回に関する作戦遂行能力や参加国との連携を強化した。
動画:スーパー・ガルーダ・シールド24(陸上自衛隊)
URL:https://www.youtube.com/watch?v=PqCKKjBDfg0
陸自は、2024年7月から8月にかけて、モンゴル・米国主催の多国間訓練に参加した。本訓練は、国連PKO(Peacekeeping Operations)にかかる能力向上を目的とした世界最大級の多国間訓練であり、陸自は2015年以降、モンゴルに部隊を派遣している。「カーン・クエスト24」では、指揮所訓練や車列警護、国連指定施設警護などの実動訓練に参加し、PKOなどへの派遣に資する各種能力の維持・向上、ノウハウの獲得・蓄積および参加各国との相互理解の促進・信頼関係を強化した。
「カーン・クエスト 24」における文民保護訓練(2024年8月)
海自は、2024年5月から12月の6か月以上にわたり、輸送艦1隻、護衛艦5隻、潜水艦数隻を含む水上・潜水艦の各部隊を派遣し、インド太平洋地域において航行する間、10か国、14寄港地を訪問し、23件の共同訓練・3件の親善訓練を行った。
IPD部隊の一部は、多国間共同訓練「リムパック2024」に参加し、ハワイ諸島などの周辺海空域においてミサイル射撃訓練やHA/DR訓練などを行った。また、インド海軍と「JIMEX2024」、米・豪・韓・カナダ海軍と日米豪韓加共同訓練「パシフィック・ヴァンガード24」を行ったほか、豪海軍主催多国間共同訓練「KAKADU(カカドゥー)24」、日米印豪共同訓練「マラバール2024」といった豪海軍が主催する共同訓練に参加した。
「パシフィック・ヴァンガード24」に参加する護衛艦「ありあけ」(2024年9月)
太平洋島嶼国では、2024年5月、ポリネシア駐留仏軍主催HA/DR多国間訓練「MARARA(マララ) 24」に海自艦艇が初参加し、島嶼における人道支援・災害救援活動に関する多国間指揮所訓練および実動訓練を行い、国際緊急援助活動における能力の向上を図るとともに、同年7月にはトンガ国際観艦式に参加し、参加国との相互理解の増進および友好親善を図った。
海自は、2025年1月から5月にかけて、インド太平洋・中東方面に掃海母艦などを派遣し、ペルシャ湾(バーレーン王国および同周辺海域)で行われた米国主催国際海上訓練(IMX/CE25:International Maritime Exercise/CUTLASS EXPRESS 2025)に参加し、主催の米国をはじめ、参加国海軍(英国、アラブ首長国連邦(UAE:United Arab Emirates)、オマーン、サウジアラビア、バーレーンなど)と連携強化を図った。また、派遣に際し、インド、カンボジアなどに寄港し、これらの国を含む各国海軍などとの親善訓練などを通じて、同地域の安定と繁栄に深くコミットしていくというわが国の意思を示した。
海自は、2024年7月から8月にかけて、ハワイ周辺海域で行われた「パシフィック・ドラゴン24」に参加した。本訓練は、米軍が主催する多国間訓練であり、同年は日米豪韓を含む7か国が参加した。本訓練では、多国間により弾道ミサイル対処訓練、対空戦訓練を行い、戦術技量の向上および参加国との相互理解の増進ならびに信頼関係の強化を図った。
空自は、2024年8月、米空軍およびパプアニューギニア国防軍が主催した捜索救助演習「パシフィック・エンジェル24-1」に初めて参加した。本訓練は、捜索救助に関する米軍などとの相互運用能力、参加国空軍との連携強化を目的としたものであり、指揮所活動訓練や専門家交流に参加し米空軍との相互運用性および参加国空軍との連携強化を図った。
空自は、2024年12月、ミクロネシア連邦などにおいて米空軍が行う「クリスマス・ドロップ」に参加した。空自からはC-130H輸送機が参加し、日用品などの寄付物資を用いて海上への物料投下訓練を行い、空自のHA/DR能力の向上や参加各国との連携強化を図った。
空自は、2024年7月から8月にかけて、ダーウィン空軍基地(オーストラリア)において、主催の豪空軍のほか、米空軍をはじめとする多数の参加国空軍などとの共同訓練を行った。本訓練では、E-767早期警戒機をオーストラリアへ初展開させたほか、F-2戦闘機による爆撃訓練を同国にて初めて行った。また、宇宙分野を担任する隊員もオブザーバー参加した。加えて、内倉空幕長が訓練を視察するとともに、日米豪3か国空軍種間の訓練の協力に関する文書の署名を行った。
空自は、2024年7月、国内においてフランス航空宇宙軍、ドイツ空軍およびスペイン空軍と共同訓練を行った。本訓練では、それぞれの空軍戦闘機などとの二国間または三国間での共同訓練を通じ、相互理解の促進、防衛協力のさらなる深化に加えて、空自の戦術技量の向上を図った。また、スペイン航空宇宙軍戦闘機の日本への寄航は初であり、日スペイン空軍種間の相互理解の促進を図った。
日仏共同訓練(2024年7月)
参照図表III-3-4(同志国などとの二国間・多国間による主要訓練)、資料59(多国間共同訓練の参加など(2021年度以降))