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第II部 わが国の安全保障・防衛政策

2 重点ポイント

1 各種スタンド・オフ・ミサイルの整備

各種スタンド・オフ・ミサイルの整備に当たっては、2024年度に引き続き、射程や速度、飛翔の態様、対処目標、発射プラットフォームといった点で特徴が異なる様々なスタンド・オフ・ミサイルの研究開発、量産、取得を実施していく。

早期にスタンド・オフ防衛能力を構築するため、2025年度中に、国産の12(ヒトニ)式地対艦誘導弾能力向上型(地上発射型)の配備を開始し、同誘導弾(艦艇発射型)の量産に着手する予定である。また、国産の潜水艦発射型誘導弾についても2025年度から量産に着手する予定としている。米国製のトマホークについては、2025年度から取得を開始する予定である。

12式地対艦誘導弾能力向上型発射試験の様子

12式地対艦誘導弾能力向上型発射試験の様子

参照III部1章2節1項(スタンド・オフ防衛能力の強化)

2 衛星コンステレーションの構築

スタンド・オフ防衛能力の実効性を確保する観点からは、わが国自身で目標を一層効果的に収集する体制を整備する必要がある。このため、宇宙領域を活用した常時継続的な目標情報の探知・追尾能力の獲得を目的として、2025年度末から、PFI(Private Finance Initiative)方式による衛星コンステレーションの構築を開始することとしている。

KEY WORD衛星コンステレーション

一定の軌道上に多数の小型人工衛星を連携させて一体的に運用するシステムのことであり、衛星通信や画像などの情報収集などの用途で使われる。

3 次期防衛通信衛星の整備

現在運用中のXバンド防衛通信衛星(きらめき2号)が2030年度に運用を終了する予定であるため、その後継機として2025年度から、大容量の通信能力を備え、高い抗たん性などを有する次期防衛通信衛星の整備に着手する。

参照III部1章2節4項(領域横断作戦能力の強化)

4 宇宙作戦団(仮称)の新編

空自においては、宇宙領域の体制整備として、航空宇宙自衛隊(仮称)への改編も見据え、宇宙作戦能力の強化に取り組んでいる。この一環として、2025年度には、SDA(Space Domain Awareness)衛星(2026年度打ち上げ予定)の運用体制の構築をはじめ、宇宙領域の状況把握に関する能力を強化するため、現在の宇宙作戦群を廃止し、宇宙作戦団(仮称)を新編することとしている。

5 民間海上輸送力の活用

島嶼部に対する侵攻や大規模災害などへ対応するためには、平素から民間輸送力との連携を図りつつ、迅速かつ大規模な展開能力を確保し、統合輸送能力を強化していくことが重要である。このため、自衛隊の輸送力と連携して、大規模輸送を効率的に実施できるよう、2025年度に新たに民間船舶4隻をPFI方式により確保する。

6 各種輸送船舶の確保

島嶼部への海上輸送能力を強化するため、共同の部隊として新編された自衛隊海上輸送群で運用する中型級船舶1隻・小型級船舶1隻および機動舟艇3隻を2027年度に新たに取得する。

7 次期戦闘機の開発

次期戦闘機の開発について、これまで日英伊各国の国内契約の下で実施してきている機体やエンジンなどの開発作業について、2025年度予算を着実に執行し、開発作業を加速できるよう、日英伊3か国共同で設立したGIGO(GCAP International Government Organisation)と、これに対応するジョイント・ベンチャーの間の契約に統合し、作業を効率化していく。

動画アイコンQRコード資料:令和7(2025)年度予算の概要
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動画アイコンQRコード資料:防衛費の使い方(グラフィカルサマリー版)
URL:https://www.mod.go.jp/j/policy/agenda/guideline/pamph/graphicalsummary.html