近年、バルト海や台湾周辺海域において海底ケーブルが損傷する事案などが発生しており、海洋をめぐる新たな課題となっている。
例えば2023年2月には、台湾本島と馬祖島との間の海底ケーブルが切断される事案が発生し、台湾当局は、中国籍漁船や貨物船による切断であったとみられる旨を発表した。2025年1月には、台湾北部海域において、国際通信用の海底ケーブル4本が損傷する事案が発生しており、台湾当局は、貨物船が海底ケーブルを意図的に損傷させた疑いも含めて捜査中と発表した。一方、バルト海においても、特に2024年11月以降、重要海底ケーブルの損傷が相次いでいる。NATOは海上のプレゼンスと監視を強化するため、2025年1月、バルト海NATO加盟国首脳会合において、新たな軍事活動「バルト海の衛兵(Baltic Sentry)」の開始を発表した。
海底ケーブルは、国民生活や経済活動に欠くことのできないインフラであり、わが国として、海底ケーブル損傷に関する事案については、重大な関心をもって注視する必要がある。