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<解説>先進技術実証機の初飛行

16(平成28)年4月22日、防衛装備庁で試作を進めてきた先進技術実証機(X-2)が初飛行しました。初飛行は試作を担当した三菱重工業株式会社によって行われ、同社小牧工場に隣接する県営名古屋空港を離陸し、航空自衛隊岐阜基地に着陸するまで約26分間飛行しました。その後、6月13日に防衛省へ納入され、今後、岐阜基地において防衛装備庁による飛行試験を実施していく予定です。

X-2は、ステルス性と高運動性を兼ね備える戦闘機技術の成立性確認と運用性の検証を行う航空機です。F-2戦闘機の開発完了から既に16年が経過しており、今般の初飛行は、ステルス性をインテグレーションする技術を始めとした、次世代戦闘機を開発しうる技術の獲得に必要なノウハウや、高度人材の継承につながるものです。また、ステルス性有人機を初飛行させた国が、米国の他数か国に限られる状況において、わが国の戦闘機開発にかかる技術力を国際社会にアピールすることにより、対外的なバーゲニング・パワーの向上も期待できます。これらの取組は、F-2戦闘機の後継機の取得に繋がる非常に重要なものといえます。

将来のわが国にとって最も望ましい防空態勢を確立するため、今後も国内において戦闘機関連技術の蓄積・高度化を図るためのこのような戦略的な検討を推進していきます。

初飛行する先進技術実証機(X-2)の画像

初飛行する先進技術実証機(X-2)