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<VOICE>Ship Riderプログラムに参加して

フィリピン海軍中尉 マクリーン・ギル・パレホ(Mckleen Gil Parejo)

私は、今回海上自衛隊主催のShip Riderプログラムに参加して、海軍士官として求められる多くのものを吸収することが出来ました。操艦訓練などの各種技術的訓練のみならず、海洋安全保障や大規模災害への対応に関する他国の海軍士官との意見交換を通じて、非常に効果的に多国間協力態勢を促進することが出来たと思います。護衛艦「いせ」の艦上で長期間にわたり様々な国の士官と交流し、多様な文化に触れた経験は、将来他国の海軍と協力する際に、必ず活きてくることでしょう。

そもそも私はこのプログラムの途中まで、国際社会の中において、他国の海軍と協力して働くというという意識が薄く、フィリピン海軍が何をするかにのみ重点を置いておりましたが、今回の経験で、自国のみで訓練している際には決して得られなかったであろう多くのものを得ることができ、視野が大きく広がり、考え方も変化したと思います。

今回の私の経験を、自分個人の経験とするのではなくて、組織の経験となるように、積極的に広めていきたいと思います。次回、このようなチャンスがあれば是非参加したいと思いますし、もし私が参加出来なくても、私よりも若いフィリピン海軍の士官達に参加してもらいたいと思います。それほど今回のプログラムは、海軍士官としての技量だけでなく、人として私を成長させてくれました。

このプログラムは今後のフィリピン海軍と海上自衛隊の協力態勢を強化し、地域に安定と平和をもたらすものであると信じています。

操艦訓練に向けて、コンパスの使用法を確認する筆者(中央)の画像

操艦訓練に向けて、コンパスの使用法を確認する筆者(中央)

※海上自衛隊主催で、派遣国との相互の理解の促進、人的ネットワークの構築を目的とし、西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)加盟国士官等(19か国19名)を招待し、平成28年4月13日(水)~4月26日(火)の間、多国間共同訓練に参加した護衛艦「いせ」において、意見交換会、操艦訓練、訓練見学等を実施した次世代士官交流プログラム