陸上自衛隊における共同訓練は、1981(昭和56)年に東富士演習場(静岡県)で実施された米軍との共同通信訓練・共同指揮所演習以降、わが国への侵略事態などにおける日米共同対処能力の維持・向上を目的とし、継続的に「米海兵隊及び米陸軍との実動訓練」と「日米共同方面隊指揮所演習」を実施してきました。近年は、わが国を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえ、島嶼防衛のための着上陸訓練「アイアンフィスト」、「ドーンブリッツ」や空中機動訓練「アークティック・オーロラ」など、あらゆる事態における米軍との相互運用性と日米それぞれの戦術技量を向上させるため、日米共同訓練の充実を図っています。また、隊員・部隊の戦術技量の向上のための日米豪共同訓練「サザン・ジャッカルー」や非戦闘員退避活動などの能力向上を目的とした多国間共同訓練「コブラ・ゴールド」に参加するなど、陸上自衛隊の共同訓練は、日米の二国間訓練にとどまらず、豪州、ASEAN諸国などを含めた多国間訓練についても内容の充実・拡大を図っています。
これらは、国際平和維持活動や人道支援・災害救助活動などの非伝統的な安全保障分野における多国間共同訓練「パシフィック・パートナーシップ」や「カーン・クエスト」などと相まって抑止及び対処能力を高め、わが国及び周辺地域ひいては国際社会の平和と安定に貢献するものと考えています。
日米共同方面隊指揮所演習(YS-69)の訓練開会式
サザン・ジャッカルーにおける戦闘射撃訓練