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<解説>南西地域の防衛態勢の強化

わが国は、約6,800の島嶼を抱えており、そのうち約1,000の島嶼が存在する南西地域は、部隊配備上の空白地域を形成しています。さらに、近年の厳しい安全保障環境を踏まえ、防衛省・自衛隊では、事態発生時に自衛隊の部隊が迅速かつ継続的に対応できるよう、南西地域の防衛態勢を強化しています。

このような考えの下、16(平成28)年3月に、南西地域における常続的な監視態勢の整備のために与那国島に沿岸監視部隊を新編したほか、災害を含む各種事態発生時に迅速に対処する警備部隊の配置先として、奄美大島、宮古島及び石垣島を選定し、地元の理解を得つつ、現在検討を進めているところです。

<VOICE>

陸自与那国駐屯地(沖縄県八重山郡与那国町)
 与那国沿岸監視隊長 兼 与那国駐屯地司令 2等陸佐 塩満 大吾(しおみつ だいご)

16(平成28)年3月、沿岸監視隊は、様々な課題を乗り越えて日本最西端「与那国島」に誕生しました。与那国島の人口はもともと約1,500人程度であり、その2割近い約250名の隊員や家族の住環境を整え、受入れを実施するにあたり、地域の方々の多大な支援を頂きました。

また、与那国島は多数の台風が通過する地域であり、準備期間中も台風21号(最大瞬間風速81m/s)が近傍を通過しましたが、現地派遣部隊は災害派遣による民生支援を行うとともに、部隊の事務官が中心となって工事業者の方々等と協力し、部隊新編への影響を局限することができました。

今後は、南西部隊配置のさきがけとして、地域との協力を大切にしつつ、隊員一同、周辺地域の警戒監視、各種事態への抑止・対処に取組んでいきます。

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編成完結式において敬礼する筆者