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第II部 わが国の安全保障・防衛政策と日米同盟

5 衛生機能の強化

1 医官・看護師などの育成の強化

任務の多様化に伴い、医官など衛生部門に携わる者に求められる能力が高まっているにもかかわらず、特に医官の充足率は約8割にとどまっている。この要因は医官の離職であり、その主な理由の一つとして「医師としての研修・診療機会の不足」があげられる。防衛省・自衛隊では、防衛医科大学校を中心とした卒後の臨床教育の充実や研修・診療機会の拡充、感染症をはじめとした専門的な知識・能力の取得・向上、モチベーションの向上など、離職を防止するための各種施策を講ずることとしている。

また、14(平成26)年4月、防衛医科大学校医学教育部に4年制の保健師及び看護師の養成課程として「看護学科」9を設立し、任務の多様化と医療技術の高度化に対応し得る質の高い看護師などの養成・確保に努めていくこととしている。

防衛医科大学校卒業式で卒業証書を授与する中谷防衛大臣の画像

防衛医科大学校卒業式で卒業証書を授与する中谷防衛大臣

2 自衛隊病院の拠点化・高機能化など

自衛隊病院は各種事態対処時には後送病院としての役割を果たし、平素は、診療、医療従事者の教育機関としての役割を有している。

そのため、防衛大綱などに基づき、自衛隊病院の拠点化・高機能化などを進め、地域医療にも貢献しつつ、質の高い医療体制の確立を図るとともに、事態対処時における第一線での救護能力の向上や、迅速な後送態勢の整備を図る。また、一般の医科大学にはない防衛医学の教育・研究拠点としての防衛医科大学校の機能を強化することとしている。

9 看護学科には、幹部自衛官となる者と技官となる者の二つの養成課程がある。