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<解説>南西地域の防空態勢の充実~新たな航空団の編成~

近年、わが国周辺の海空域における周辺国の活動は拡大・活発化している。特に中国は東シナ海において、わが国領海への断続的な侵入や領空の侵犯などを行うとともに、独自の主張に基づく「東シナ海防空識別区」の設定といった公海上空の飛行の自由を妨げるような動きを含む、不測の事態を招きかねない危険な行為を引き起こしている。

現在、南西航空混成団における対領空侵犯措置は、第83航空隊(那覇基地)に所属する第204飛行隊が1個飛行隊のみで実施しているが、緊急発進回数が増加の一途をたどっていることに加え、担当する空域もきわめて広大である。

このような状況を踏まえ、南西地域における防空態勢を充実させるため、航空自衛隊は、平成27年度に第8航空団(築城基地)の第304飛行隊を那覇基地に移動させるとともに、第83航空隊を廃止し、64(昭和39)年の第8航空団新編以来、約50年ぶりに「第9航空団」を新編することとした。

第9航空団の新編により、南西地域における防空態勢をさらに充実させ、各種事態における実効的な抑止および対処を実現するための前提となる航空優勢の獲得・維持を図ることが可能となる。

第83航空隊の廃止と第9航空団の新編の画像

第83航空隊の廃止と第9航空団の新編