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第IV部 防衛力の能力発揮のための基盤

2 装備品取得のさらなる効率化

1 PM/IPT制度の導入

防衛省における装備品の従来のプロジェクト管理は、構想、開発、量産、維持・整備といったライフサイクルの各段階を、それぞれの担当部局が個別に所掌していたため、コスト上昇に対する一貫性のある迅速な対応が困難であった。このため、主要な事業について、プロジェクト・マネージャー(PM:Project Manager)のもと、組織横断的な統合プロジェクトチーム(IPT:Integrated Project Team)を設置し、装備品のライフサイクルを通じて、コスト、パフォーマンス、スケジュールに関するプロジェクト管理を一元的に実施するPM/IPT体制の構築を進めている。

2 装備品の共通化・ファミリー化の推進

効率的な調達を実現するため、防衛省・自衛隊では装備品の共通化・ファミリー化の推進に取り組んでいる。陸・海・空自においては、小火器、車両、化学器材を中心に共用装備品の調達(例:5.56mm機関銃、トラック、防護マスクなど)に努力してきたほか、陸自と空自で使用する短距離用の地対空誘導弾の一部構成品の共通化や、陸・海・空自で使用する対艦誘導弾のファミリー化などにより、開発経費の抑制およびスケールメリットによる取得単価の低減を図っている。

3 集中調達・一括調達による効率化

防衛省においては、複数年度分の防衛装備品や部品を特定の年度にまとめて予算化・契約することで効率化をはかる集中調達や、種類の異なる装備品の構成品のうち共通する部分、あるいは異なる組織間で共通する装備品などの予算をまとめて執行する一括調達に取り組んでいる。たとえば、平成26年度予算では、南西地域の防衛体制の強化に必要な地対艦誘導弾などの防衛装備品を集中調達することにより、契約ベースで約330億円の節減を行うこととしている。

SSM-1の画像

【陸自】88式地対艦誘導弾(SSM-1)

SSM-1Bの画像

【海自】90式艦対艦誘導弾(B)(SSM-1B)ファミリー化に取り組む対艦誘導弾

ASM-2Bの画像

【空自】93式空対艦誘導弾(B)(ASM-2B)