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第IV部 防衛力の能力発揮のための基盤

防衛白書トップ > 第IV部 防衛力の能力発揮のための基盤 > 第1章 防衛装備移転三原則などの防衛装備品に関する諸施策 > 第2節 調達の効率化および調達の公正性・透明性向上のための取組 > 1 防衛省における基本的な取組

第2節 調達の効率化および調達の公正性・透明性向上のための取組

このような状況を踏まえ、調達の効率化とその公正性・透明性向上のための取組を通じ、防衛装備品の効果的・効率的な取得を図るとともに、防衛生産・技術基盤の維持・強化を図ることとしている。

1 防衛省における基本的な取組

1 調達効率化に向けた取組

防衛省によるこれまでの調達効率化に向けた取組は一定のコスト縮減を実現してきたものの、現下の防衛予算や装備品調達を取り巻く厳しい状況にかんがみれば、さらなる調達効率化に向けた努力が今後の防衛力整備にとって不可欠である。

こうした認識のもと、13(平成25)年3月以降、防衛副大臣を長とする「総合取得改革推進プロジェクトチーム」会合を数回にわたり開催し、平成26年度予算に約660億円の節減を見込んだ調達効率化策を反映させるなど、調達改革を強力に推進するための検討を進めているところである。

2 公正性・透明性の向上のための取組

防衛省では、装備品などの取得にかかわる公正性・透明性の向上を目指し、契約の適正化のための措置やチェック機能の強化などといった観点から、これまで様々な施策を講じてきた。

昨今では、政府全体の公共調達の適正化の一環として、防衛省においても、総合評価落札方式1の導入拡大、複数年度契約の拡大、入札手続の効率化、随意契約の見直しなどに取り組んでいる。こうした施策とあわせて、装備品の調達を行っている装備施設本部に監査担当副本部長を、内部部局に監査課をそれぞれ設置し、チェック機能の強化に努めている。

しかしながら、12(同24)年には、川崎重工業が受注した陸自新多用途ヘリコプターの開発事業に関する「官製談合防止法」違反や、三菱電機およびその子会社・関係会社4社ならびに住友重機械工業およびその子会社2による過大請求が明らかとなったことから、防衛省では同年12月、制度調査の強化、違約金の見直しおよび指名停止措置要領の整備などを柱とする再発防止策を公表した。

さらに、13(同25)年6月、住友重機械工業から装備施設本部に対し、「12.7mm重機関銃」の製品試験結果の改ざんなどを行い製品を納入していた旨の報告があった。防衛省では、住友重機械工業に対し5か月間の指名停止措置などを行うとともに再発防止に取り組んでいる。

1 技術的要素の評価などを行うことが適当であるものについて、価格のみによる自動落札方式とは異なり、価格以外の要素と価格とを総合的に評価して落札者を決定する方式

2 三菱電機、三菱スペース・ソフトウエア、三菱プレシジョン、三菱電機特機システム、太洋無線、住友重機械工業および住重特機サービス