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第IV部 防衛力の能力発揮のための基盤

2 防衛装備品の取得をめぐる現状

1 調達単価と数量

わが国の防衛関係費が依然として厳しい状況が続く中、平成17年度以降、整備・維持経費が主要装備品調達経費を逆転し、新規主要装備品の調達を圧迫している。また、装備品の高性能化・複雑化は開発・製造コストの上昇をもたらし、装備品の取得単価を上昇させている。これらの事情は調達数量の減少につながり、それが高い技能をもつ工員の維持・育成が難しくなるとの問題や、将来の見通しが不透明なため防衛事業から撤退する企業が生じるなどの問題につながっている。

参照資料61(調達装備品などの調達額の推移)

2 研究開発の現状

防衛産業の技術力は、技術者が研究開発事業に取り組むことなどを通じて維持・向上するものであることから、研究開発予算のすう勢は、官民における技術者の維持・育成に大きく影響する。また、装備品の高性能化などにより、研究開発コストは上昇傾向にあるものの、近年は、防衛関係費に占める研究開発経費の割合の推移は横ばいである。

参照図表IV-1-1-2(研究開発費の現状)

図表IV-1-1-2 研究開発費の現状