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第II部 わが国の安全保障・防衛政策

4 22大綱

22大綱は、①わが国周辺において、依然として核戦力を含む大規模な軍事力が存在するとともに、多くの国が軍事力を近代化し、また各種の活動を活発化させていること、②軍事科学技術などの飛躍的な発展にともない、兆候が現れてから事態が発生するまでの時間は短縮化する傾向にある中でシームレスに対応する必要があること、③多くの安全保障課題は、国境を越えて広がるため、平素からの各国の連携・協力が重要となっている中で、軍事力の役割が多様化し、平素から常時継続的に軍事力を運用することが一般化しつつあることなどを踏まえ、策定したものである。

このため、22大綱は、今後の防衛力について、「防衛力の存在」を重視した従来の「基盤的防衛力構想」によることなく、「防衛力の運用」に焦点を当て、与えられた防衛力の役割を効果的に果たすための各種の活動を能動的に行える「動的なもの」としていく必要があるとしている。このため、22大綱では、即応性、機動性、柔軟性、持続性および多目的性を備え、軍事技術水準の動向を踏まえた高度な技術力と情報能力に支えられた「動的防衛力」を構築することとした。

参照図表II-4-1-2(防衛力の役割の変化)

図表II-4-1-2 防衛力の役割の変化