極超音速滑空兵器(HGV:Hypersonic Glide Vehicle)は、マッハ5を超える極超音速で低い軌道を飛翔し、高い機動性を有するため、迎撃がより困難であると指摘されています。HGVを滑空段階で迎撃するという課題に対し、両国の技術を結集して対処していくため、2023年8月、日米両国はGPI日米共同開発を開始することを公表し、その後、2024年5月のプロジェクト取決めの署名を以て、共同開発を正式に開始しました。同年9月、日米両国は、米国ノースロップ・グラマン社の提案するGPIの開発コンセプトを採用することを決定し、その後防衛省は、同コンセプトに基づき、日本の開発担当部位の設計・製造に関する契約を三菱重工業株式会社と締結しました。
防衛省は現在、2030年代の開発完了を目指し、日本が主に担当する第2段のロケットモーターや操舵装置、キルビークルと呼ばれるミサイルの先頭部位の推進装置や操舵装置の開発を進めています。GPI共同開発を着実に進めることは、統合防空ミサイル防衛能力の強化、国内防衛産業の技術力向上、日米同盟の更なる深化や抑止力・対処力の向上に寄与します。