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第IV部 防衛力の中核である自衛隊員の能力を発揮するための基盤の強化

第3節 新たな生涯設計の確立

若年定年制で多くの自衛官が56歳で退職する中、再就職や再々就職・収入に不安を感じさせないようにすることが、自衛官の確保にとっても重要な課題である。そのため、退職する自衛官が自衛隊で培った知識・技能・経験を活かすことができる環境を整えるべく、関係省庁と防衛省が連携して地方公共団体や幅広い業界、経済団体に対し退職自衛官の活用などについての働きかけを行い、再就職先の拡充を図る。加えて、退職自衛官が自衛隊の勤務を通じて培った技能を活かして、海技士や航空整備士といった公的資格を取得しやすくするためのプロセスの簡素化や地域防災マネージャー制度2の財政措置を含めた検討に取り組む。

さらに、若年定年の自衛官が、年金受給開始年齢である65歳まで安心して社会で活躍できるよう、65歳までの再就職支援を可能とするほか、定年の引き上げなどについても検討し、具体的な引上げ幅や対象などについて2025年夏頃を目途に決定する。若年定年退職者給付金については、部外の専門家の意見を踏まえ、2026年度から施行することを目指し、給付水準の引上げなどを検討する。加えて、部外力としての退職自衛官の活用のあり方について検討を進める。

参照図表IV-1-1(自衛官の生涯年収の向上(イメージ)2士で入隊し曹長で退職する者の現行収入のモデルケース)

図表IV-1-1 自衛官の生涯収入の向上(イメージ)2士で入隊し曹長で退職する者の現行収入のモデルケース

2 防災の専門性を有する外部人材を、地方公共団体の「防災監」や「危機管理官」などで採用・配置するにあたり、必要となる知識・経験などを有するものとして証明する制度