国民生活に必要な物資の輸入を含め、経済活動の大部分を海上貿易に依存するわが国にとって、主要な海洋交通路が通るインド太平洋の安定は死活的に重要です。特にインド洋に目を向ければ、インドの経済・安全保障面でのプレゼンスの拡大とともに、地域の大国であるインドとの協力強化の重要性は日増しに高まっている状況です。
海自はこれまで、日米印共同訓練「マラバール」や日印二国間訓練「JIMEX※」などを通じて、インド海軍との協力関係を強化してきたところですが、近年は海自のP‐1哨戒機もインドを訪問し、共同対潜訓練を実施するなど、その協力の範囲が拡大しています。
このような状況を受け、情報共有や共同訓練をさらに充実させるため、幅広い海洋安全保障協力の促進・発展を目的とする「海上自衛隊とインド海軍の間の協力の深化に係る実施取決め」を作成し、18(平成30)年10月の日印首脳会談にあわせて締結しました。これにより、海自とインド海軍は一層の協力関係の強化を目指していくことになります。
こうした協力の深化は、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に直接貢献するものであり、ひいてはわが国の安定と繁栄にもつながっています。
※JIMEX:Japan-India Maritime Exercise
共同対潜訓練の打ち合わせをする
海自P-1搭乗員とインド海軍P-8搭乗員
日印両首脳の前で「実施取決め」文書交換を行う
村川海幕長(当時)とチノイ駐日インド大使(当時)