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第IV部 防衛力を構成する中心的な要素など

3 調達の効率化に向けた取組など

1 効果的・効率的な維持・補給

装備品の定期整備について、安全性の確認を十分に行ったうえでその実施間隔を延伸し、効率化を図っている。また、装備品の可動率の向上と長期的なコスト抑制を図る観点から、PBL(Performance Based Logistics)(成果保証契約8)の導入に取り組んでいる。さらに、維持・整備方法の見直しにも取り組んでおり、令和元(2019)年度予算においても、情報システムごとに借り上げていたハードウェア及びソフトウェアを集約することにより、維持運用経費の縮減を見込んでいる。

参照II部4章3節3項(効率化への取組)

2 装備品取得のさらなる効率化

装備品の取得にあたっては、契約制度の見直しのほか、装備品のファミリー化、装備品の仕様の共通化、各自衛隊が共通して保有する装備品の共同調達などにより、開発・取得・維持経費の低減を図っている。また、令和元(2019)年度予算においては、F-35Aの完成機輸入切り替えなどによる経費の縮減を見込んでいる。

さらに、過去の主要装備品などの調達価格の内訳や実績価格のデータベース化を進めており、調達価格の妥当性の検証は勿論のこと、新規装備品のライフサイクルコストの見積の精度向上、効率化に活用することを見込んでいる。

参照II部4章3節3項(効率化への取組)

3 公正性・透明性の向上のための取組

防衛省では、装備品などの取得にかかる公正性・透明性の向上を図るため、契約の適正化のための措置や、チェック機能の強化のための措置を講じている。

まず、政府全体の取組である「公共調達の適正化」として、防衛省においても総合評価落札方式9の導入拡大、入札手続の効率化を継続して実施している。これに加え、12(平成24)年に相次いで発生した防衛関連企業による過大請求事案や装備品の試験結果の改ざん事案などの反省を踏まえた再発防止策として、制度調査の強化や違約金の見直し、監督検査の実効性の確保などを着実に実施しており、これらを通じて不祥事の再発防止、公正性・透明性の向上及び契約の適正化に取り組んでいる。

また、防衛装備庁においては、監察・監査部門において内部監察などの一層の充実を図るとともに、防衛監察本部による監察や外部有識者からなる防衛調達審議会における審議などにより、同庁の内外から重層的なチェック及び組織内の相互牽制を行っている。さらに教育部門を充実させ、職員に対する法令遵守にかかる教育を徹底することにより、コンプライアンス意識の向上にも努めている。

8 可動率や安定在庫の確保といった装備品のパフォーマンスの達成に対して対価を支払う契約方式であり、欧米諸国で装備品の維持・整備に適用されて効果を上げている。

9 技術的要素の評価などを行うことが適当であるものについて、価格のみによる自動落札方式とは異なり、価格以外の要素と価格とを総合的に評価して落札者を決定する方式