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第IV部 防衛力を構成する中心的な要素など

4 FMS調達の合理化に向けた取組の推進

FMS(Foreign Military Sales)(有償援助)は、経済的な利益を目的とした装備品の販売ではなく、米国の武器輸出管理法などのもと、米国の安全保障政策の一環として同盟諸国などに対して装備品を有償で提供するものである。FMSには、①価格が見積りであること、②前払いが原則であり履行後に実質精算されること、③納期が予定であることなどの特徴があるが、一般では調達できない機密性の高い装備品や、米国しか製造できない能力の高い装備品を調達できる点で、わが国の防衛力を強化するために非常に重要なものである。

一方、FMSについては、価格の透明性の確保や精算遅延などの様々な課題があることは事実であり、FMS調達額が増加している中で、その改善に努めているところである。具体的には、米軍などとの調達時期・仕様を整合させた装備品の取得を進め、価格低減を図るとともに、日米間の緊密な協議などを通じて米国政府との連携を強化することで、価格の透明性向上・低減や履行管理の強化を図るなど、FMS調達の合理化を推進している。