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<VOICE>フィリピン海軍パイロットへの教育支援 ―海自練習機TC-90の移転―

フィリピン海軍 ライアン テュマンダ少佐 ジリル ヴィラコータ少佐

TC-90練習機の移転は、日本政府とフィリピン政府の間における防衛装備・技術移転の先駆けとなるプロジェクトです。5機のTC-90を移転する合意の一環として、フィリピン海軍のパイロットと整備要員の教育訓練も実施されています。

今回、フィリピン海軍から海自による教育の受講者として選抜されたことを、大変光栄に感じています。海自パイロットによるTC-90の操縦・運航要領を学ぶことは、素晴らしく、また視野を広げてくれる経験となりました。TC-90の操縦に関する海自教官の高い技能とプロ意識は尊敬すべきものであり、彼らから指導を受けたことは、幸運という一言ではとても言い尽くせません。TC-90の操縦の習得は大変挑み甲斐があるものですが、私たちにとっては操縦についてさらに深く学ぶことができる素晴らしい機会であると感じました。この移転により、フィリピン海軍の様々な海上活動を遂行する能力は飛躍的に向上します。TC-90は、現在フィリピンが運用しているアイランダーを補完するだけではなく、将来の洋上哨戒機の取得に向けた適切な移行機でもあります。TC-90の移転に関して、私たちだけではなく、フィリピン政府やフィリピン国民も、日本政府と日本の皆様に感謝しています。

左からテュマンダ少佐、ヴィラコータ少佐

左からテュマンダ少佐、ヴィラコータ少佐

※ フィリピン海軍が約40年間にわたり運用する航空機。