防衛装備庁プロジェクト管理部統合装備計画官付(市ヶ谷)
事業計画調整官 1等陸佐 長澤 徹志(ながさわ てつじ)
03式中距離地対空誘導弾(改)(中SAM(改))は、低空・高速で飛来するミサイルに対処する能力などを向上させた陸自の新たな対空ミサイルです。中SAM(改)は、平成27年11月にプロジェクト管理重点対象装備品に選定され、私は、そのプロジェクト管理を円滑かつ効率的に実施するための総合調整を行うプロジェクト・マネージャーに指名されました。
プロジェクト管理は、防衛装備庁として初めて実施するということもあり、内局や陸幕など省内の関係者と認識を揃えて進めていくことに苦労しました。
中SAM(改)は、プロジェクト管理重点対象装備品に選定された時点で研究開発を実施中でしたが、関係者と綿密に調整して取得戦略計画を策定するとともに、性能、コストなどの観点から分析・評価した結果について大臣に報告し、その進捗状況に問題ないことが認められました。
これらの調整を進める上で、統合プロジェクト・チームを通じた省内における情報、認識共有が重要であることを実感しました。
今後は中SAM(改)の量産が本格化していくことから、適正なコスト管理やリスクへの対応を重視し、引き続き関係者との連携を図り、プロジェクト管理を更に効果的に実施していくことが重要と考えています。
防衛装備庁長官に報告を実施する著者(著者:左から4人目)