(株)明治ゴム化成 工業用品事業部 営業チーム アドバイザー 安藤 和一(あんどう かずいち)
当社は1900(明治33)年に創業し、翌年には本邦初の海軍指定工場となった会社です。潜水艦用プロペラ推進軸ゴムライニング、電槽ケース、戦闘機用のタイヤも生産しておりました。戦後は、主力製品を民需品に転換し、現在では印刷機材用、昇降機用、製紙・製鉄用ロール等のゴム製品から、ボトルコンテナー・パレット等の樹脂製品まで幅広い分野に及びます。
官需品としては防衛省向け艦船用防振ゴムや、戦車用ゴム部品を製造しています。特に戦車用ゴム部品は61式、74式、90式、10式と歴代の戦車用の足回り部品である、自動車でいえばタイヤに相当する「転輪」、一般的にクローラ、トラックベルトの呼称がある「履帯」、舗装路走行時に舗装路保護のために履帯を構成する履板に装着する「ゴムパッド」及び車内の「エンジンマウント防振ゴム」などの製造に携わっており、この歴史は当社の自慢でもあります。
ゴム製品は使用条件に最適な配合ゴム設計をするために、トライ&エラーを繰返し、試作品評価を行い、最適条件を満たす仕様へと造り上げていきます。当社の財産は創業来培ってきた配合ゴムのレシピにあると自負しております。最後に防衛関連製品は当社にとって最重要生産管理品という位置づけで生産体制を組んでおり、これからも防衛装備品を生産することの責任と誇りを持って、生産基盤を維持し技術力の向上に努力して参ります。
ゴム接着後の転輪のバリ取り作業と完成した転輪