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<VOICE>家族支援訓練「越後の絆」の実施について

陸上自衛隊高田駐屯地(新潟県上越市)
業務隊長(当時) 1等陸佐 岡田 豊(おかだ ゆたか)

大規模災害などが発生した場合、自衛隊員は自分や家族が被災しても、災害派遣などの任務に赴きます。このため、防衛省・自衛隊では隊員が家族について後顧の憂いなく安心して任務に邁進(まいしん)できるよう、自衛隊家族会や隊友会などの関係部外団体などと連携して家族支援施策に取り組んでいます。新潟県では、高田駐屯地業務隊がその中核を担っており、17(平成28)年に家族支援訓練としては過去最大規模となる「越後の絆」を実施しました。

訓練では、新潟県に震度7の地震が発生したとの想定のもと、被災家族の安否確認などについて、自衛隊と関係部外団体などとの連携要領を確認するとともに、今後検討すべき課題を明らかにしました。私は県の取りまとめ役として、県内の陸・海・空自の各部隊長、自衛隊家族会長、隊友会長などと密接に連携を図り、関係者の理解と認識共有を深めるとともに、「顔が見える人間関係」「いつでも本音で相談できる信頼関係」の構築を目指しました。

「越後の絆」は新潟県初の挑戦でしたが、各人が本音による熱い意見交換を行い、今後の連携の方向性などについて認識統一することができました。訓練後は全国から問い合わせがあり、家族支援の「絆」が各地で深まっていく兆しを肌で感じています。今後は、「越後の絆」の成果を最大限生かし、全国レベルで家族支援の取組が更に進展することを期待しています。

新潟県家族支援訓練「越後の絆」で発表する著者(中央)

新潟県家族支援訓練「越後の絆」で発表する著者(中央)