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<解説>中国の海・空戦力の近代化

中国は、国防費を速いペースで増加させており、それを背景として、軍事力の急速な近代化を進めています。海上戦力の近代化について、中国はより遠方の海域において作戦を遂行する能力の構築を目指していると考えられ、具体的には、新型水上艦艇や新型潜水艦などの増強を継続しています。中国初の空母「遼寧」は12(平成24)年9月に就役し、16(同28)年12月には初めて太平洋へ進出しました。初の国産空母も17(同29)年4月に進水しており、2~3年内に就役するとの指摘もあります。航空戦力の近代化については、国土の防空能力の向上に加え、より遠方での戦闘が可能な能力の構築などを目指していると考えられ、具体的には、第4世代戦闘機を着実に増加させるとともに、次世代戦闘機とされるJ-20の試験配備を開始しているとされています。また、戦闘機、空中給油機、早期警戒管制機、輸送機を含む多種多様な軍用機を自国で開発・生産・配備まで行うようになっています。これらの中国の軍事力の強化については、その具体的な将来像が明確に示されていないなどにより、わが国を含む地域及び国際社会の安全保障上の懸念となっており、今後とも注目していく必要があります。

海上戦力のグラフ

航空戦力のグラフ