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<解説>閲兵式に登場した弾道ミサイルについて

北朝鮮は、17(平成29)年4月15日の故金日成(キム・イルソン)主席の生誕105周年(太陽節)に合わせて、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長も参加し、閲兵式(軍事パレード)を実施しました。閲兵式には、16(同28)年初めて発射された中距離弾道ミサイル(IRBM)「ムスダン」(①)のほか、17(同29)年初めて登場したものとして潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)(②)、同年2月12日及び5月21日に発射したSLBMを地上発射型に改良したとみられる新型弾道ミサイル(③)、同年5月14日に発射したIRBM級の新型弾道ミサイル(④)及び同年5月29日に発射したスカッドミサイルを改良したとみられる新型弾道ミサイル(⑤)が登場しました。この他に、これまで未確認の弾道ミサイルと推定されるものが2種類登場しました。

これまで未確認の弾道ミサイルと推定される2種類について、1つは、トレーラータイプの車両に搭載されて登場したもの(⑥)で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)との指摘がありますが、キャニスター(発射筒)の中にミサイルが格納されていたかは不明とみられています。2つ目は、KN-08/14用TEL(8軸の装輪式TEL)に類似のTELに搭載されて登場したもの(⑦)で、キャニスターの推定全長からICBMである可能性がありますが、キャニスターの中にミサイルが格納されていたかは不明とみられています。TEL搭載式のICBMとしては、これまでKN-08/14の存在が指摘されていましたが、それとは別のTEL搭載式のICBMを開発している可能性が考えられます。

今般の閲兵式に登場した各種兵器について、引き続き、重大な関心を持って注視していく必要があります。