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第III部 国民の生命・財産と領土・領海・領空を守り抜くための取組

4 第一線救護能力の向上

防衛大綱などにおいて、「事態対処時における救急救命措置に係る検討を行い、第一線の救護能力の向上を図る」とされたことを受け、防衛省・自衛隊として米軍などにおける取組を調査し、適確な救命のための検討を進めてきた。この検討を深化させるため、15(平成27)年4月、防衛省において部外の有識者からなる「防衛省・自衛隊の第一線救護における適確な救命に関する検討会」を開催し、16(同28)年9月、検討会における議論などを踏まえた報告書2がとりまとめられた。防衛省・自衛隊は、本報告書も踏まえつつ、第一線において負傷した隊員の生命を最大限に守るための態勢の整備を進めている。具体的には、准看護師かつ救急救命士の資格を有する隊員が、第一線において負傷した隊員を自衛隊病院などに後送される前の現場において専門的な救護処置3を実施できるようにするため、平成29(2017)年度から准看護師かつ救急救命士の資格を有する隊員に対して、必要な知識・技能を身につけさせるための教育・訓練を開始している。

負傷者の後送を訓練する陸自隊員

負傷者の後送を訓練する陸自隊員

2 「防衛省・自衛隊の第一線救護における適確な救命に関する検討会 報告書」(平成28年9月)

3 負傷により気道閉塞や緊張性気胸の症状等となった者に対する救護処置や、痛みを緩和するための鎮痛剤の投与などの処置