グローバルなパワーバランスの変化、大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発及び拡散、国際テロの脅威などにみられるように、わが国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、脅威が世界のどの地域において発生しても、わが国の安全保障に直接的な影響を及ぼし得る状況となっています。もはや、どの国も一国のみでは、自国の安全を守ることはできません。
政府の最も重要な責務は、わが国の平和と安全を維持し、その存立を全うするとともに、国民の命を守ることです。そのためには、まず、力強い外交の推進により、脅威の出現を未然に防ぐとともに、紛争の発生に際してはその平和的な解決を図らなければなりません。また、わが国自身の防衛力を適切に整備するとともに、日米安全保障体制の実効性を一層高め、日米同盟の抑止力を向上させることなどにより、わが国に脅威が及ぶことを未然に防ぐことが必要不可欠です。
その上で、いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くとともに、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の下、国際社会の平和と安定にこれまで以上に積極的に貢献するため、切れ目のない対応を可能とする、平和安全法制が必要なのです。